部分ウィッグにワックスを使うときは、ウィッグの毛と周囲の自毛を、同じ製品・同じ量で整えられるとは限りません。部分ウィッグで特に気になるのは、片方だけがつやつやする、毛先が別々に見える、固定部に整髪料が付くといった問題です。ここでは、自毛との境目を整えるための使い分けを説明します。
ワックスを使う場所を自毛とウィッグに分ける
ウィッグ側へ使える整髪料は、その製品の説明に従います。人毛だから自毛用ワックスを何でも使えるとは限らず、加工や洗浄方法も関係します。
着脱式なら先に自毛の形を作る
日常的に取り外せるタイプでは、装着前に自毛を乾かし、いつもの毛流れを作ります。自毛へワックスを使う場合は、固定するクリップやテープが触れる場所に付けないよう、毛先を中心に少量使います。製品に別の装着手順がある場合は、その手順を優先します。
ウィッグは一度何も付けずになじませる
装着したら、対応するブラシや指で自毛と毛先の方向をそろえます。色や長さの違い、装着位置のずれは、ワックスを増やしても解決しません。まず形だけでどこまでなじむかを見て、整髪料が必要な場所を絞ります。
境目は光沢と束の太さをそろえる
同じワックスを両方へ付けても、素材が違うと仕上がりが違う場合があります。製品を同じにすることより、仕上がった見え方を比較します。
| 気になる状態 | 先に見直すこと |
|---|---|
| 自毛だけ濡れたように光る | 自毛側の使用量と、つやの出る仕上げが必要か |
| ウィッグの毛だけ塊になる | ウィッグ側へ使いすぎていないか、指定外の整髪料でないか |
| 毛先が上下二段に見える | 長さ、カット、装着位置の調整 |
| 上から見て輪郭が浮く | ベースの位置と固定。ワックスで押さえ込まない |
濡れたような質感を片側だけに作ると、境目が強調されることがあります。鏡を近づけた状態に加え、少し離れた距離と横からも見て判断します。
使用が認められたワックスを毛先へ少量使う
ウィッグ用として指定されたもの、またはその製品への使用が確認できた整髪料を使います。量は商品により違うため、一律に豆粒何個分と決めず、少量から仕上がりを見ます。
ベースへ押し込まない
指へ薄く広げ、必要な毛先の方向を軽く整えます。根元を握り込んだり、ネットの上から押し付けたりすると、ベースや固定部に付着しやすくなります。ウィッグ側に使えない場合は、自毛側だけで整えられる形や、カットでの調整を選びます。
頭上での混ぜ合わせを避ける
自毛用とウィッグ用の製品を、手に残ったまま混ぜて使わないようにします。片方を扱った後は手を清潔にし、次に使う製品を少量取ります。固定用接着剤の代わりにワックスを使うこともできません。
付けすぎたときは素材ごとに落とす
べたついた上から別の整髪料を足すと、毛束やつやの差がさらに大きくなることがあります。装着位置や毛流れで直らない場合は、指定の手入れで落としてから整え直します。
着脱後に自毛と本体を別々に洗う
自分で外せる部分ウィッグは外して、自毛は通常の洗髪、本体はその製品の洗浄方法を使います。油分を落とすために家庭用洗剤や溶剤を使ったり、本体を自毛と一緒に強く揉み洗いしたりしません。
固定具に残った整髪料も見落とさない
毛先がきれいでも、クリップやテープを貼る面に残留があると、指定どおりの固定がしにくくなることがあります。取扱説明にある方法で清掃し、乾燥と破損の有無を確認してから再装着します。落とせない汚れや絡まりは、引き剥がさず販売店へ相談します。
参考資料:レディスアデランス「オーダーメイド・ウィッグ」;アデランス「医療用ウィッグの調整・アレンジ、洗い方・つけ方」