育毛剤と頭皮美容液は、どちらも頭皮に使う製品がありますが、目的や法的な区分は同じとは限りません。商品名の「育毛」「スカルプ」といった言葉だけで判断せず、パッケージに記載された「医薬部外品」「化粧品」などの区分と、表示されている効能・使用目的を確認することが重要です。薄毛そのものの治療や新たな発毛を求める場合は、頭皮美容液と発毛剤も区別して考えましょう。
育毛剤と頭皮美容液は何が違う?
大きな違いは、製品の法的区分と認められる効能・目的です。「頭皮美容液」は名称だけでは区分を判断できないため、商品表示の確認が必要です。
医薬部外品の育毛剤は脱毛予防・育毛を目的とする
薬機法では、人体への作用が緩和なもので「脱毛の防止、育毛」などを目的とするものが医薬部外品の範囲に含まれます。
- 脱毛の予防
- 育毛
- 頭皮・毛髪に関する承認された効能
化粧品は頭皮・毛髪を健やかに保つ範囲
化粧品では、頭皮・毛髪を清浄にする、健やかに保つ、うるおいを与えるなどの効能範囲が示されています。
- 頭皮・毛髪を清浄にする
- 頭皮・毛髪を健やかに保つ
- 頭皮・毛髪にうるおいを与える
頭皮美容液という名前だけでは区分できない
「美容液」「スカルプエッセンス」などは販売上の商品名・呼称として使われるため、実際の区分を表示で確認します。
名称より「医薬部外品」「化粧品」などの表示を見るのが確実です。
発毛剤とは別に考える
医薬品として販売される発毛剤と、医薬部外品の育毛剤、化粧品の頭皮ケア製品では目的・効能の位置づけが異なります。
育毛剤や頭皮美容液を、医薬品の発毛剤と同じ効果があるものとして扱わないでください。
成分はどう比較すればいい?
成分名の有無だけで効果を断定せず、その製品の区分と承認・表示されている効能を確認します。
医薬部外品は有効成分を確認する
医薬部外品では有効成分とその他の成分を分けて表示している製品があります。
- 有効成分
- その他の成分
- 効能・効果
化粧品は全成分表示を見る
頭皮美容液が化粧品の場合は、保湿など製品の目的と全成分表示を確認します。
- 保湿成分
- 基剤
- 香料など
同じ成分名だけで比較しない
配合目的、濃度、製品区分が違えば、成分名が共通していても製品の位置づけは同じとは限りません。
「この成分が入っている=発毛する」と成分単独で結論づけないことが大切です。
刺激が気になる場合は使用方法も確認する
アルコールなどを含む製品もあるため、頭皮状態や使用感に合わせ、異常が出た場合は使用を中止して相談します。
- 使用量
- 使用回数
- 使用上の注意
育毛剤と頭皮美容液はどう選ぶ?
自分が求める目的を先に決めると、製品区分を選びやすくなります。
脱毛予防・育毛が目的なら表示を確認する
医薬部外品の育毛剤を選ぶ場合は、承認された効能・効果と用法を確認します。
- 医薬部外品表示
- 効能・効果
- 用法・用量
保湿・頭皮ケアが目的なら化粧品も選択肢
乾燥対策など日常的な頭皮ケアが目的なら、化粧品として販売される頭皮用製品も候補になります。
- 保湿
- 使用感
- 香り・べたつき
発毛を目的にするなら発毛剤と区別する
発毛を目的とする医薬品を検討する場合は、対象となる脱毛症や使用条件、注意事項を確認する必要があります。
薄毛の原因が分からないまま、製品名だけで自己判断して使い分けないようにしましょう。
続けやすさも確認する
頭皮ケア製品は使用感や価格も継続性に影響します。
- 価格
- 使用回数
- べたつき
- 香り
セルフケアだけで様子を見ないほうがよいケース
頭皮ケア製品で対応できる範囲と、医療機関で原因確認が必要な状態を分けて考えます。
急に抜け毛が増えた
短期間で明らかに抜け毛が増えた場合は、原因確認を優先します。
- 急激な変化
- 毛量の大幅な減少
- 全体的な脱毛
円形・斑状に抜けた
部分的に境界が目立つ脱毛などは、AGAとは異なる原因も考えられます。
- 円形
- 斑状
- 急な局所脱毛
強い頭皮症状がある
赤み、痛み、強いかゆみ、ただれなどがある場合は、製品を重ねて使うより受診を検討します。
- 炎症
- 痛み
- 強いかゆみ
AGAが気になる
生え際・頭頂部の薄毛が気になる場合も、症状だけでAGAと断定せず医師へ相談できます。
育毛剤・頭皮美容液は、薄毛の原因を診断する製品ではありません。
参照資料:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」、厚生労働省「医薬部外品の効能・効果」、PMDA「一般用医薬品 添付文書」