育毛剤を続けていても薄毛が進んでいるように感じると、「発毛剤へ切り替えたほうがよいのか」と迷うことがあります。ただし、育毛剤と発毛剤は同じ製品の強弱ではなく、区分や効能が異なります。切り替えは「育毛剤を何か月使ったか」だけで決めず、薄毛が進行しているか、AGAなどの脱毛症が疑われるか、発毛剤を使用できる条件に当てはまるかを確認して考えます。
この記事では、育毛剤から発毛剤への切り替えを考える場面と、ミノキシジル外用薬を使う前に確認したいポイントを解説します。
育毛剤から発毛剤へ切り替えるタイミングは?
すべての人に共通する「○か月で切り替える」という期限はありません。育毛剤の使用期間だけでなく、薄毛の経過と製品の対象を確認します。
薄毛が徐々に進行している場合
生え際が後退する、頭頂部の範囲が広がる、毛が細くなるなどの変化が続く場合は、育毛剤を変更し続けるだけでなく脱毛症の評価を検討します。
育毛剤に求める効果が合っていない場合
医薬部外品の育毛剤と、発毛を効能に含む一般用医薬品では位置づけが異なります。育毛剤へAGA治療薬と同じ役割を期待していないか確認します。
自己判断でAGAと決めつけない
前頭部や頭頂部の薄毛はAGAでみられますが、薄毛の原因は一つではありません。急な脱毛や強い頭皮症状がある場合は、発毛剤へ切り替える前に医療機関へ相談してください。
育毛剤と発毛剤は何が違う?
育毛剤と発毛剤は「弱い・強い」という単純な関係ではありません。製品区分と表示された効能を確認することが重要です。
医薬部外品の育毛剤
医薬部外品の育毛剤では、育毛、薄毛、脱毛予防など、その製品に認められた効能の範囲で使用します。
ミノキシジル外用薬は一般用医薬品
国内ではミノキシジルを有効成分とする一般用医薬品が販売されています。製品ごとの対象者、用法・用量、使用上の注意を確認する必要があります。
AGA診療ガイドラインでの位置づけ
日本皮膚科学会の2017年版ガイドラインでは、男性型・女性型脱毛症に対するミノキシジル外用の推奨度はAで、「行うよう強く勧める」とされています。
発毛剤へ切り替える前に確認したいこと
一般用医薬品だから誰でも自由に使えるという意味ではありません。購入前に個別製品の使用上の注意を確認します。
自分が使用対象に当てはまるか確認する
ミノキシジル外用製品では、性別、年齢、脱毛の状態などに応じて使用対象や使用できない人が定められています。商品ごとの説明書を確認してください。
治療中の病気や薬がある場合は相談する
持病がある、治療薬を使用している、頭皮に炎症があるなどの場合は、購入前に医師や薬剤師へ相談すべきことがあります。
育毛剤との重ね使いを自己判断しない
ミノキシジル外用製品には、使用部位へほかの外用剤などを使用しないよう注意が示されているものがあります。「切り替え」のつもりで両方を重ねる前に添付文書を確認します。
薄毛が進行した場合は受診も検討する
薄毛の進行が明らかな場合や、脱毛の仕方が一般的なAGAのパターンと異なる場合は、市販品の切り替えだけで対応しないようにしましょう。
AGAかどうかを確認する
男性型脱毛症は思春期以降に始まり徐々に進行し、前頭部や頭頂部の毛髪が軟毛化することが特徴とされています。ただし、見た目だけで診断はできません。
AGAなら複数の治療選択肢がある
男性型脱毛症では、ミノキシジル外用のほか、フィナステリド内服、デュタステリド内服もガイドラインで推奨度Aです。適した治療は個人の状態によって異なります。
急な脱毛や頭皮症状は別の原因も考える
短期間で急に抜けた、円形に脱毛した、強い赤みや痛みがあるといった場合は、AGA以外の原因も考える必要があります。皮膚科などへ相談してください。
参照資料:厚生労働省「医薬部外品の効能・効果」、消費者庁「景品表示法・特定商取引法」、日本皮膚科学会ガイドライン2017年版