AGA治療を始めるとき、オンライン診療と対面診療のどちらを選ぶべきか迷う人もいるでしょう。オンライン診療は通院負担を減らせる一方、触診などができず得られる情報に限りがあります。厚生労働省も、オンライン診療は対面診療と適切に組み合わせて行うことを基本としています。 AGAの状態、頭皮症状、治療歴、通院のしやすさなどを踏まえて使い分けることが大切です。
AGAオンライン診療と対面診療の違い
どちらも医師の診療ですが、診察方法と得られる情報、通院負担などに違いがあります。
オンライン診療は自宅などから受診できる
スマートフォンやパソコン等を使い、自宅などから医師の診察を受けられるため、移動時間を抑えやすい方法です。
【オンライン診療の利点】
- 通院の移動時間を減らしやすい
- 遠方でも受診先を検討しやすい
- 仕事・育児などと調整しやすい
- 薬の配送に対応する場合がある
診療時間、薬の配送、利用できる地域などは医療機関ごとに異なります。
オンラインでは触診などができない
厚生労働省は、オンライン診療では直接の対面診療と異なり触診等ができず、医師が得られる情報が限られると説明しています。
【オンライン診療の制約】
- 触診ができない
- 画面では頭皮の細かな状態を評価しにくい場合がある
- 必要な検査をその場で行えない
- 医師の判断で対面診療が必要になる
オンラインだけで十分な情報が得られない場合は、対面診療への切り替えが必要です。
対面診療は直接頭皮を確認してもらえる
対面では医師が頭皮や脱毛部位を直接確認でき、必要に応じて追加の診察・検査を検討できます。
【対面診療の利点】
- 頭皮を直接確認できる
- 脱毛部位を複数方向から確認しやすい
- 必要な検査を検討しやすい
- AGA以外の脱毛症も評価しやすい
特に診断がはっきりしない場合は、対面で得られる情報が重要になることがあります。
費用は診療形式だけでは比較できない
AGA治療は自由診療として行われることが多く、診察料・薬代・検査費・送料などは医療機関ごとに異なります。
| 項目 | オンライン | 対面 |
|---|---|---|
| 移動 | 原則不要 | 通院が必要 |
| 診察 | 映像・音声等 | 直接診察 |
| 検査 | 別途対面等が必要な場合 | 院内で検討しやすい |
| 費用 | 薬代・送料等を確認 | 薬代・診察・検査等を確認 |
「オンラインだから必ず安い」「対面だから必ず高い」とは限りません。
オンライン診療が利用しやすいケース
AGAと診断され、状態が安定している場合などでは、医師の判断のもとオンライン診療を取り入れることで継続しやすくなることがあります。
通院時間を確保しにくい
仕事、育児、介護などで定期的な通院が負担になる人には、オンライン診療が受診継続の選択肢になります。
【オンラインを検討しやすい状況】
- 移動時間を減らしたい
- 定期的な治療相談を続けたい
- 配送条件を確認できている
- 必要時に対面へ移行できる
利便性だけでなく、医師がオンライン診療可能と判断することが前提です。
すでに診断・治療方針が定まっている
AGAの状態が確認され、治療経過が安定している場合は、診療計画に沿ってオンラインを組み合わせやすいことがあります。
【継続時に共有すること】
- 頭髪の変化
- 服薬状況
- 副作用の有無
- 新しい病気・薬
オンラインでも体調変化を省略せず伝えます。
同じ条件の写真を準備できる
画面越しでは頭髪の見え方が照明等に左右されるため、同条件の写真を用意すると経過を共有しやすくなります。
【写真の工夫】
- 同じ角度
- 同じ照明
- 同じ分け目
- 撮影日を記録
写真だけで診断できるわけではありませんが、治療経過の共有材料になります。
対面へ移行できる体制がある
オンライン診療が適切でない場合は速やかに対面診療へつなげる必要があります。
- 対面診療先があるか
- 紹介対応があるか
- 急な症状時の連絡先
- 検査が必要な場合の流れ
オンラインだけで完結することを最優先にせず、必要時の対面診療も確認しておきましょう。
対面診療が向いているケース
AGAと思っていても、脱毛の原因が別にある場合があります。直接の診察や検査が必要と考えられるときは対面診療が重要です。
AGAかどうか判断しにくい
急な脱毛や斑状の脱毛など、典型的なAGAの経過と異なる場合は別の脱毛症も検討する必要があります。
【対面を考えたい変化】
- 急激に抜け毛が増えた
- 円形・斑状の脱毛がある
- 頭皮に強い赤み・痛みがある
- 脱毛原因が分からない
AGAと自己診断して治療薬だけを入手することは避けましょう。
頭皮の症状が強い
強いかゆみ、痛み、炎症、湿疹などがある場合は、頭皮疾患の評価が必要になることがあります。
【診察で伝えること】
- 症状の開始時期
- 痛み・かゆみ
- 使用中の外用剤
- 頭皮写真
症状によってはAGA治療より先に別の治療が必要になる場合があります。
検査が必要と判断された
血液検査などが必要な場合、オンラインだけでは実施できないため対面医療機関等での検査が必要です。
【検査を検討する場面】
- 他の病気が疑われる
- 薬の安全性確認が必要
- 脱毛原因の鑑別が必要
- 医師が必要と判断した
検査内容は一律ではなく、症状や治療内容に応じて医師が判断します。
オンラインで十分な情報を得られない
映像が不鮮明、頭皮の状態を確認できないなど、医師が診療に必要な情報を得られない場合は対面へ切り替えます。
オンライン診療と対面診療は、どちらか一方だけが優れているわけではありません。利便性だけでなく、診断に必要な情報が十分得られるかを基準に使い分けることが重要です。
医師から対面受診を勧められた場合は、オンライン継続にこだわらず受診しましょう。
自分に合う診療方法を選ぶポイント
診療形式を決めるときは、AGAの状態と生活上の通いやすさを両方確認します。
初回は診断の確かさを重視する
薄毛の原因がAGAとは限らないため、初めて相談する場合は医師が必要な情報を得られる方法を選びます。
- 薄毛が始まった時期
- 気になる部位
- 頭皮症状
- 持病・服薬
初診からオンライン診療が可能な場合でも、医師が対面を必要と判断することがあります。
継続時は安全性と通いやすさを両立する
治療が安定していても、副作用や症状の変化があれば診療方法を見直します。
【継続中の確認】
- 治療効果
- 副作用
- 服薬状況
- 対面診察の必要性
オンラインと対面を固定せず、状態に合わせて変更する考え方が大切です。
費用は総額で確認する
薬代だけでなく、診察料、検査費、送料などを含めて確認します。
【費用比較】
- 診察料
- 薬代
- 検査費
- 送料・システム利用料等
自由診療では料金設定が医療機関ごとに異なります。
必要時に対面へつながれるか確認する
オンライン診療を選ぶ場合も、対面診療が必要になった際の対応を事前に確認します。
【申込前の確認】
- 対面院があるか
- 紹介先を案内できるか
- 緊急時の対応
- 診療対象外となる症状
AGA治療を安全に続けるためには、便利さと診療の適切さの両方が重要です。
参照資料:厚生労働省「オンライン診療について」、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」