発毛剤を塗ったあと、「頭皮をマッサージしたほうが薬が浸透して効きやすいのでは」と考えることがあります。一般用ミノキシジル外用薬は、添付文書どおり脱毛している頭皮へ所定量を塗布することが基本で、塗布後のマッサージを発毛効果を高める方法として扱う根拠は添付文書には示されていません。
この記事では、発毛剤を塗った後の頭皮マッサージの考え方、刺激を避けたいケース、使用時の注意点を解説します。
発毛剤を塗った後に頭皮マッサージしてもいい?
ミノキシジル外用薬では、脱毛している頭皮へ用法・用量どおり塗布することが定められています。塗布後のマッサージを必須の使用手順とは考えないようにします。
添付文書の塗布方法を優先する
PMDAで公開されている男性用5%ミノキシジル外用薬では、成人男性が1日2回、1回1mLを脱毛している頭皮へ塗布するとされています。まずこの用法・用量を守ります。
マッサージで発毛効果が高まると決めつけない
薬を塗ったあとに揉み込めばミノキシジルの発毛効果が増す、という使い方は添付文書の用法として示されていません。効果を高める目的で強く擦り込む必要はありません。
製品独自の使用方法があれば従う
容器の使い方や塗布手順は製品によって異なることがあります。購入した製品に具体的な使用方法が示されている場合は、その説明を優先してください。
頭皮を強く揉まないほうがよい理由
赤み、傷、湿疹、炎症などがある頭皮へミノキシジル外用薬を使用することは避ける必要があります。刺激を加えて頭皮状態を悪化させないことが重要です。
傷や炎症がある頭皮には使用しない
添付文書では、きずや湿疹、炎症などがある頭皮への使用を避けるよう定められています。症状がある状態でマッサージしながら塗布しないでください。
爪を立てて擦らない
添付文書に掲載される洗髪方法でも、爪を立てず指の腹で頭皮を扱うよう案内されています。頭皮を傷つけるような強い刺激は避けます。
赤みやかゆみが出たら中止する
ミノキシジル外用薬では、頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれなどが副作用の可能性がある症状として記載されています。現れた場合は直ちに使用を中止し、医師または薬剤師へ相談します。
発毛剤を塗る前後に確認したいこと
マッサージの有無よりも、頭皮を清潔に保ち、所定量を対象部位へ正しく使用することを優先します。
頭皮を清潔にして使用する
PMDAの添付文書には、毎日洗髪を行い、頭皮を清潔にして用法・用量を守るよう案内されている製品があります。
整髪料は発毛剤の後に使用する
整髪料やヘアセットスプレーは、ミノキシジル外用薬を使用した後に使うよう記載されています。
薬液が付いた手を洗う
薬液の付いた手で目などの粘膜に触れると刺激があるため、手に付いた薬液はよく洗い落とします。
頭皮マッサージをしたい場合の考え方
頭皮マッサージをセルフケアとして行う場合も、ミノキシジルの効果を増強する治療行為とは分けて考えます。
発毛効果を高める目的にしない
「揉めば揉むほど浸透する」「血行を促せば必ず発毛する」といった前提で行わないようにします。
頭皮に異常があるときは行わない
赤み、痛み、かゆみ、湿疹などがある場合は、マッサージよりも頭皮症状への対応を優先してください。
迷う場合は製品メーカーや薬剤師へ確認する
塗布後にどの程度触れてよいかなど、使用している製品固有の手順が分からない場合は、説明書やメーカーの相談窓口、薬剤師へ確認すると確実です。
参照資料:PMDA「一般用医薬品 添付文書」、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」