びまん性脱毛症とは、特定の一部分だけではなく、頭部の広い範囲で毛量が減って見える脱毛を表す言葉です。原因は一つではなく、休止期脱毛症、女性型脱毛症、びまん型の円形脱毛症、全身疾患や栄養状態、薬剤など複数の可能性があります。そのため「びまん性脱毛症」という見た目だけで治療を決めず、原因を見分けることが重要です。
びまん性脱毛症とは?
特定の一か所ではなく髪全体が薄く見える状態
「びまん性」は広い範囲に広がるという意味で、びまん性脱毛症は頭部全体の毛量低下として気づかれる脱毛を指す表現です。原因は一つではありません。
- 全体のボリューム低下
- 地肌が広く透ける
- 分け目だけとは限らない
- 複数原因がある
びまん性脱毛症を一つの原因・病態だけの病名として扱わないことが重要です。
抜け毛が増えるタイプと細毛化するタイプがある
休止期脱毛症のように抜け毛の増加が中心になる場合もあれば、女性型脱毛症などのように毛が徐々に細くなり密度が低下する場合もあります。
- 急な抜け毛
- 徐々に細毛化
- 密度低下
- 両者の併存
「全体が薄い」という見た目だけでは原因を特定できません。
女性だけに起こるものではない
びまん性の脱毛は女性で検索されることが多いものの、休止期脱毛症やびまん型円形脱毛症などは性別にかかわらず起こり得ます。
- 女性型脱毛症
- 休止期脱毛症
- 円形脱毛症のびまん型
- 全身疾患に伴う脱毛
性別だけで原因を決めません。
原因を診断して初めて治療方針が決まる
びまん性脱毛という見た目に対して一律の治療を行うのではなく、問診・視診・拡大観察などで原因を絞ります。
- 発症時期
- 脱毛の分布
- 毛径
- 既往歴・薬歴
「びまん性脱毛症用の治療」が一つだけあるわけではありません。
髪全体が薄くなる主な原因
脱毛の経過だけで原因を決めつけず、発症時期、薄くなる範囲、体調・服薬・栄養状態などを合わせて評価することが大切です。
休止期脱毛症
病気、手術、出産、急な減量などをきっかけに毛周期が変化し、頭部全体の抜け毛が増えることがあります。
- 急な脱毛増加
- びまん性
- 誘因から時間差
- 回復するケースもある
急に抜け毛が増えた場合の代表的な鑑別です。
女性型脱毛症
日本皮膚科学会のガイドラインでは、女性型脱毛症の診断時に慢性休止期脱毛、全身疾患、貧血、急激なダイエット、薬剤性脱毛などを除外する重要性が示されています。
- 分け目の拡大
- 頭頂部の密度低下
- 細毛化
- 徐々に進行
女性のびまん性薄毛をすべてホルモンのせいにしません。
びまん型の円形脱毛症
円形脱毛症には、境界明瞭な円形の脱毛斑を作らず、頭部全体が脱毛する「びまん型」も分類されています。
- 明瞭な円形斑がない
- 急速な脱毛の場合もある
- 特徴的な毛の所見
- 皮膚科で評価
円形のハゲがないから円形脱毛症を完全に否定できるわけではありません。
全身疾患・栄養・薬剤など
甲状腺疾患、鉄欠乏を含む貧血、急激なダイエット、消耗性疾患、薬剤などもびまん性脱毛の鑑別になります。
- 甲状腺などの全身疾患
- 貧血・栄養状態
- 急激なダイエット
- 薬剤
背景原因の有無を病歴に応じて調べます。
びまん性脱毛症ではどんな症状を確認する?
脱毛の経過だけで原因を決めつけず、発症時期、薄くなる範囲、体調・服薬・栄養状態などを合わせて評価することが大切です。
抜け毛が急に増えたか
短期間で洗髪やブラッシング時の抜け毛が増えた場合は、休止期脱毛症などの手掛かりになります。
- 発症時期
- 増え方
- 一日全体の変化
- 数か月前の体調
本数だけでなく始まり方を確認します。
分け目や頭頂部が徐々に薄くなったか
女性型脱毛症などでは、急な大量脱毛よりも分け目や頭頂部の密度低下として気づくことがあります。
- 分け目の幅
- 頭頂部
- 前頭部
- 過去写真
長期的な変化は写真比較が役立ちます。
毛が細くなっていないか
毛包のミニチュア化を伴うパターン型脱毛症では、太い毛と細い毛が混在するなど毛径の変化が診断材料になります。
- 細い毛
- 短い毛
- 毛径のばらつき
- 密度低下
抜けた毛一本だけで診断しません。
頭皮や全身の症状も確認する
赤み・鱗屑・痛みなどの頭皮症状や、倦怠感・体重変化などがあれば原因検索の手掛かりになります。
- 頭皮の炎症
- 全身症状
- 体重変化
- 月経・出血など
髪だけでなく全身の情報も診察時に伝えます。
びまん性脱毛症の治療はどうする?
脱毛の経過だけで原因を決めつけず、発症時期、薄くなる範囲、体調・服薬・栄養状態などを合わせて評価することが大切です。
原因に合わせて治療する
休止期脱毛症、女性型脱毛症、円形脱毛症、全身疾患などで必要な治療は異なります。
- 原因の診断
- 重症度
- 年齢・性別
- 併存疾患
原因不明のまま一律に育毛剤だけで対応しません。
休止期脱毛症では誘因への対応を考える
一時的な誘因が解消されていれば回復を待つ場合があり、栄養不足や疾患など対応可能な原因があれば治療します。
- 誘因確認
- 栄養状態
- 基礎疾患
- 経過観察
発毛薬が必須とは限りません。
女性型脱毛症ではガイドラインに基づく治療を検討する
日本皮膚科学会2017年ガイドラインでは女性型脱毛症に対するミノキシジル外用が推奨されています。具体的な製品・濃度・使用条件は最新の承認内容を確認します。
- 診断を確認
- ミノキシジル外用
- 副作用を確認
- 製品の対象者を確認
男性用製品や内服薬を自己判断で流用しません。
急速な脱毛・原因不明なら皮膚科で評価する
びまん性脱毛は複数の病態で起こるため、急速に進む、長引く、全身症状を伴う場合などは医療機関で原因を確認します。
- 急速な進行
- 長期化
- 頭皮症状
- 全身症状
治療を選ぶ前に診断を優先します。
まとめ|びまん性脱毛症とは?髪全体が薄くなる原因・症状・治療を解説
髪全体の脱毛や休止期脱毛症では、原因と経過によって必要な対応が異なります。急な脱毛が続く、毛量低下が進む、頭皮症状がある、原因が分からない場合などは、自己判断で発毛薬やサプリメントを追加せず皮膚科などで原因を確認しましょう。







