抜毛症では、脱毛した頭皮・毛髪の状態と、毛を抜く行動の両方を考える必要があります。そのため、相談先は一つに限定されません。脱毛の原因が分からない・頭皮症状がある場合は皮膚科、抜毛をやめられないことや不安・生活への支障が中心なら精神科・心療内科などが相談先になります。
最初から最適な診療科を自分で確定する必要はありません。受診しやすい医療機関から相談し、必要に応じて別の診療科へつないでもらう考え方でも構いません。
抜毛症は何科に相談すればいい?
抜毛症では皮膚の診察と行動・心理面の評価の両方が必要になることがあります。症状の中心に合わせて受診先を考えます。
脱毛の原因が分からないなら皮膚科が相談先になる
自分で抜いている自覚が乏しい場合や、円形脱毛症など他の脱毛症との違いが分からない場合は皮膚科で毛髪・頭皮を確認できます。
- 脱毛斑の診察
- 切れ毛の確認
- 頭皮炎症の確認
- 他の脱毛症との鑑別
脱毛の見た目だけで抜毛症と自己診断しません。
抜毛行動への治療は精神科などが中心になることがある
やめようとしても毛を抜いてしまう、強い苦痛がある場合は、精神科などで認知行動療法や薬物療法を含む治療を相談します。
- 抜毛衝動
- 繰り返す行動
- 強い不安
- 生活上の支障
習慣逆転法などに対応できるか事前に確認すると受診先を選びやすくなります。
心療内科でも相談できる場合がある
医療機関によって診療内容は異なりますが、心療内科で抜毛行動やストレス・不安を相談できる場合があります。
- 抜毛とストレス
- 不安症状
- 身体症状
- 生活への影響
「心療内科」という看板だけで治療内容は判断できないため、抜毛症への対応可否を確認します。
迷う場合は受診しやすい科から始めてもよい
頭皮の薄毛が気になって皮膚科へ行き、必要に応じて精神科等へ紹介してもらうなど、段階的に相談できます。
- 皮膚科から相談
- かかりつけ医へ相談
- 精神科・心療内科へ相談
- 必要なら連携・紹介
皮膚科へ相談したほうがよいケース
皮膚科は、脱毛部の毛髪・頭皮を診察し、円形脱毛症や感染症など別の原因がないかを確認する役割があります。
本当に自分で抜いた脱毛か分からない
抜毛症では長さの異なる毛や不規則な脱毛がみられることがありますが、見た目だけでは他の脱毛症と区別しにくいことがあります。
- 突然の脱毛
- 円形・まだらな脱毛
- 短い毛が混在
- 原因に心当たりがない
診断を自己判断せず皮膚科で確認します。
赤み・出血・かさぶたがある
繰り返し毛を抜くことで皮膚が傷つき、炎症や感染が起こる場合があります。
- 赤み
- 出血
- 膿
- 痛み・かさぶた
頭皮の治療が必要か皮膚科で判断してもらいます。
長期間抜いていて毛が戻らない
同じ部位への長期間の外傷で毛包が傷み、回復しにくくなる可能性があります。
- 何年も同じ部位を抜く
- 毛穴が目立たない
- 皮膚が滑らか
- 抜毛を止めても発毛しない
脱毛部の毛包・瘢痕の状態を確認します。
眉毛・まつ毛など頭髪以外も脱毛している
抜毛症では眉毛やまつ毛も対象になることがありますが、他の病気による脱毛との区別も必要です。
- 眉毛
- まつ毛
- ひげ
- 体毛
複数部位の脱毛があれば診察時にすべて伝えます。
精神科・心療内科へ相談したほうがよいケース
毛を抜く行動そのものを減らしたい、心理的な苦痛や生活への影響が大きい場合は、精神科・心療内科等での相談を検討します。
何度やめようとしても抜いてしまう
抜毛を減らそうと繰り返し試みても難しいことは、抜毛症の診断で重視される特徴の一つです。
- 無意識に抜く
- 衝動を抑えにくい
- やめても再開する
- 長時間抜き続ける
意志の問題として一人で抱え込まないようにします。
抜毛の前後に強い感情の変化がある
緊張や不安が先行し、抜毛後に一時的な解放感を感じる人もいます。ただし全員が同じパターンではありません。
- 緊張
- 不安
- 退屈
- 抜毛後の安堵感
感情と行動の関係は治療で引き金を整理する材料になります。
学校・仕事・対人関係へ影響している
- 外出を避ける
- 学校・仕事に集中できない
- 人に会いたくない
- 抜毛に長い時間を使う
毛量だけでなく生活への影響を受診時に伝えます。
不安・抑うつなど他の症状もある
抜毛症とともに不安や抑うつ、強迫症状などがある場合、それらを含めて評価することがあります。
- 強い不安
- 抑うつ気分
- 強迫症状
- 睡眠・食欲の変化
併存症も治療方針に関わるため隠さず相談します。
病院を選ぶときに確認したいポイント
抜毛症は医療機関によって対応経験や治療内容が異なります。予約前に確認できる情報を整理すると受診しやすくなります。
抜毛症・強迫症関連の診療に対応しているか
精神科等では、抜毛症や身体集中反復行動への診療経験があるかを確認します。
- 抜毛症の診療可否
- 強迫症関連の診療
- 年齢対象
- 初診予約の方法
ウェブ情報だけで不明なら受付へ問い合わせます。
認知行動療法・習慣逆転法を扱っているか
代表的治療である習慣逆転法を受けたい場合、実施体制があるかを確認します。
- 認知行動療法
- 習慣逆転法
- 心理士等との連携
- 通院頻度
すべての精神科・心療内科が同じ心理療法を提供しているわけではありません。
子ども・未成年は年齢対象を確認する
小児・思春期では、児童精神科や小児科との連携が必要になる場合があります。
- 対象年齢
- 保護者同伴
- 学校生活への影響
- 小児・思春期対応
年齢制限や予約条件を事前に確認します。
皮膚科と精神科の連携が必要な場合もある
頭皮の治療と抜毛行動への治療を並行する場合、複数診療科で情報共有することがあります。
- 頭皮の炎症治療
- 抜毛行動への治療
- 服薬情報の共有
- 紹介状・診療情報
一方の治療だけで十分とは限らないため、困りごとを双方へ伝えます。
受診前に準備すると伝えやすいこと
抜毛症を話すことに抵抗があっても、完璧に説明する必要はありません。いつから、どこを、どんな場面で抜くかを簡単に整理すると診察に役立ちます。
抜毛の期間と部位をメモする
症状の経過は診断や治療方針を考える材料になります。
- 始まった時期
- 抜く部位
- 頻度・時間
- 悪化・改善した時期
正確な回数が分からなくても大まかな経過で構いません。
抜きやすい場面・感情を整理する
テレビ中、勉強中、緊張時など、抜毛が起こりやすい状況を伝えます。
- 場所
- 作業
- 感情
- 無意識か意識的か
0365のセルフモニタリングにもつながります。
脱毛部の写真を残す
髪型やカバーで診察時に分かりにくい場合、過去の写真が経過確認に役立つことがあります。
- 同じ角度
- 同じ照明
- 撮影日
- 複数部位
撮影が苦痛なら無理に続ける必要はありません。
使用中の薬・サプリも伝える
治療を検討するときは、現在使っている処方薬、市販薬、サプリなどの情報も重要です。
- 処方薬
- 市販薬
- サプリメント
- 過去の治療







