70代になって「髪が細くなった」「分け目や頭頂部の地肌が目立つ」「以前のようにボリュームが出ない」と感じる女性は、年齢による変化なのか、薄毛として対策したほうがよいのか迷うことがあります。
年齢を重ねると毛髪の状態は変化しますが、70代の薄毛をすべて「加齢だから仕方ない」と考える必要はありません。女性型脱毛症のほか、急な脱毛、頭皮疾患、薬剤や全身状態などが関係する場合もあるため、変化の仕方を確認することが大切です。
この記事では、70代女性にみられやすい髪の変化を整理し、頭皮や髪に過度な負担をかけない日常ケア、医療機関への相談を考えたいケース、発毛剤などを検討するときの注意点を解説します。
70代女性の薄毛はなぜ起こる?まず確認したい4つのポイント
70代の薄毛には、加齢に伴う毛髪の変化だけでなく、女性型脱毛症やほかの脱毛原因が重なっている可能性があります。年齢だけで原因を決めないことが重要です。
年齢とともに髪の太さ・密度の印象が変わることがある
加齢に伴って、以前より髪が細く感じたり、頭頂部のボリュームが出にくくなったりすることがあります。一本一本の毛髪が細くなると、毛量の印象も変わり、地肌が見えやすくなる場合があります。
- 髪が以前より細く感じる
- トップのボリュームが出にくい
- 分け目が目立つようになった
- 頭頂部の地肌が透けやすい
これらは年齢とともに気づくことがありますが、原因を加齢だけに限定することはできません。
年齢は背景の一つとして考え、薄くなった場所や進み方も確認しましょう。
女性型脱毛症が関係している場合がある
日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、女性型脱毛症は女性では頭頂部の比較的広い範囲の頭髪が薄くなるパターンとして観察され、更年期に多発すると説明されています。70代でも、分け目や頭頂部を中心とした薄毛が続いている場合には、女性型脱毛症を含めて原因を確認する意味があります。
| 確認する場所 | 見るポイント |
|---|---|
| 分け目 | 以前より地肌が目立つか |
| 頭頂部 | 広い範囲で毛量が低下していないか |
| 毛髪 | 細い毛が増えたように見えるか |
| 経過 | 徐々に変化が続いているか |
見た目だけで女性型脱毛症と自己診断せず、気になる場合は皮膚科などで確認します。
「70代だから加齢」と決めず、女性型脱毛症など治療対象となる原因も考えましょう。
急な抜け毛は加齢だけで説明しない
長い時間をかけて髪のボリュームが変化した場合と、短期間で急に抜け毛が増えた場合では考え方が異なります。急な変化では、女性型脱毛症や年齢だけを前提にしないことが重要です。
【注意したい変化の例】
- 短期間で抜け毛が急増した
- 一部分だけ急に薄くなった
- 円形・類円形の脱毛がある
- 眉毛など頭髪以外にも脱毛がある
変化が急な場合は、自己流のケアを増やす前に原因確認を検討します。
急激な脱毛を「年齢のせい」で済ませないことが大切です。
薬や体調の変化も診察時に伝える
70代では複数の薬を使用している人や、さまざまな持病を管理している人もいます。脱毛が気になる場合は、服用中の薬や体調の変化を自己判断で原因と決めるのではなく、診察時の情報として伝えます。
- 薄毛・抜け毛に気づいた時期
- 現在使用している薬
- 最近の体調や治療内容の変化
- 食欲・体重など大きな変化の有無
処方薬を「抜け毛の原因かもしれない」と考えて自己判断で中止することは避け、医師や薬剤師へ相談します。
服薬状況は重要な情報ですが、自分で薬を中止・変更しないようにしましょう。
70代女性が無理なく続けたい薄毛ケア4つ
日常ケアでは「髪を生やすこと」を過度に期待するのではなく、頭皮と毛髪への不要な刺激を減らし、清潔を保ち、続けやすい方法を選ぶことが基本です。
頭皮を強くこすらずやさしく洗う
洗髪時に爪を立てたり強くこすったりする必要はありません。シャンプーは頭皮と毛髪の汚れを落とすために使い、刺激を感じる洗い方は避けます。
【洗髪で意識したいこと】
- 爪ではなく指の腹で洗う
- 強くこすり続けない
- 洗浄剤を十分にすすぐ
- 洗髪後は濡れたまま長時間放置しない
頭皮が乾燥しやすい、刺激を感じるなどの場合は、使用している製品や洗い方も見直します。
強く洗えば薄毛が改善するわけではありません。頭皮に負担の少ない洗髪を続けましょう。
白髪染め・カラーによる刺激に注意する
70代では白髪染めを続けている人もいます。ヘアカラーによって毛髪が傷んだり、製品が合わず頭皮に炎症が起きたりすることがあるため、使用中や使用後の頭皮状態を確認します。
| 確認項目 | 対応の考え方 |
|---|---|
| ヒリヒリする | 無理に使用を続けない |
| 赤み・かゆみ | 頭皮の状態を確認する |
| 毛先の傷み | 毛幹ダメージと脱毛を区別する |
| 繰り返す症状 | 皮膚科への相談を検討する |
カラーによる毛髪のダメージと、毛根から起こる脱毛は同じではありません。
きつい髪型や強いブラッシングを避ける
髪を強く引っ張る髪型を繰り返すと、生え際など特定の部位に負担がかかります。また、絡まった髪を無理に引っ張るブラッシングは毛髪の切断につながることがあります。
- 髪を強く結びすぎない
- 毎日同じ位置で結ばない
- 絡まりを無理に引っ張らない
- 濡れた髪を乱暴に扱わない
「頭皮への刺激が強いほど血行がよくなり髪が生える」といった考えで、強くこする必要はありません。
70代のヘアケアでは、刺激を加えるより不要な物理的負担を減らすことを意識しましょう。
食事は特定の食品だけに頼らず全体で考える
毛髪のために特定の食品や成分だけを大量に摂る必要はありません。高齢期では髪だけでなく全身の健康を考え、無理なく食べられる範囲で食事全体のバランスを意識することが大切です。
【食生活で意識したいこと】
- 極端な食事制限を避ける
- 主食・主菜・副菜を組み合わせる
- 食欲低下が続く場合は相談する
- サプリメントだけで薄毛を治そうとしない
持病による食事制限がある場合は、一般的な「髪によい食事」より主治医等の指示を優先します。
70代では薄毛対策だけを目的に食事を大きく変えず、全身状態に合った食生活を優先しましょう。
70代女性の薄毛対策で避けたい4つの思い込み
薄毛が気になると、さまざまな育毛情報を試したくなります。しかし、年齢や健康状態を考えずにケアを増やすと、頭皮への刺激や薬の問題につながることがあります。
「年齢だから何をしても意味がない」と決めつけない
加齢による変化はありますが、薄毛には女性型脱毛症や頭皮疾患など確認できる原因が含まれる場合があります。70代という年齢だけで相談や治療の対象外と決める必要はありません。
- 薄くなっている場所
- 変化の速さ
- 頭皮症状の有無
- 服薬や全身状態
治療が適するかどうかは、診断や健康状態などを踏まえて個別に判断されます。
高価なシャンプーだけで発毛すると考えない
シャンプーの主な役割は頭皮や毛髪を洗浄することです。女性型脱毛症の治療薬と同じ役割ではありません。
| 方法 | 主な位置づけ |
|---|---|
| シャンプー | 頭皮・毛髪の洗浄 |
| ヘアケア | 毛髪の扱いやすさ・ダメージ対策 |
| 髪型の工夫 | 見た目のボリューム調整 |
| 医療 | 診断に基づき脱毛症へ対応 |
価格の高さだけで発毛効果を判断しないようにします。
頭皮を清潔にするケアと、脱毛症の治療を区別しましょう。
育毛剤と発毛剤を同じものとして考えない
育毛をうたう医薬部外品などと、発毛を目的とした医薬品は同じものではありません。70代ではほかの薬を使用している場合もあるため、医薬品を選ぶ際には対象・使用方法・注意事項を確認することが重要です。
- 医薬品か医薬部外品・化粧品か
- 女性が使用できるものか
- 持病や服薬との関係で確認事項がないか
- 副作用・禁忌・使用上の注意
具体的な発毛剤を使用する場合は、最新の添付文書や薬剤師・医師の説明を確認します。
年齢にかかわらず、医薬品は「薄毛だからとりあえず使う」のではなく適応と安全性を確認しましょう。
複数のケアを一度に始めない
シャンプー、育毛剤、サプリメント、頭皮マッサージなどを同時に大きく変更すると、頭皮トラブルが起きた場合に何が原因か分かりにくくなります。
【ケアを見直すときの考え方】
- 目的の分からない製品を増やさない
- 刺激が出た製品を無理に使い続けない
- 医薬品は用法・注意事項を守る
- 治療中なら自己判断で変更しない
新しいケアを増やすことより、必要なものを整理することが大切です。
70代では「多く試す」より、負担と目的を確認しながらシンプルに続けることを意識しましょう。
70代女性が発毛剤・薄毛治療を考えるときの4つの注意点
女性型脱毛症など治療対象となる脱毛症では、医療的な選択肢があります。ただし、70代では健康状態や服薬状況なども含めて安全性を確認することが特に重要です。
まず薄毛の原因を確認してから治療を選ぶ
薄毛の原因によって適切な対応は異なります。女性型脱毛症を前提に自己判断で治療を始めるのではなく、脱毛の分布や経過、頭皮状態などを確認します。
- 薄毛に気づいた時期
- 最初に気になった部位
- 急激か徐々か
- 持病・服薬・アレルギー
お薬手帳がある場合は、受診時に持参すると服薬状況を伝えやすくなります。
治療方法を選ぶ前に「何による薄毛なのか」を確認しましょう。
発毛剤は対象・禁忌・副作用を確認する
女性型脱毛症に対して使用される医薬品がありますが、誰でも同じように使用できるとは限りません。特に高齢者では、循環器系を含む持病や服薬状況など、製品ごとの注意事項を確認することが重要です。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 対象 | 女性のどのような脱毛に用いる製品か |
| 用法 | 使用量・回数など公式の使用方法 |
| 禁忌・注意 | 使用できない人・相談が必要な人 |
| 副作用 | 使用中に注意する症状 |
具体的な製品を使用するときは、その製品の最新の添付文書を確認します。
「女性用」と書かれているだけで選ばず、自分の健康状態で使用できるか確認しましょう。
処方薬を自己判断で中止・変更しない
薄毛が気になり始めた時期と薬を飲み始めた時期が近くても、その薬が原因とは限りません。処方薬を自己判断で減らしたり中止したりすると、治療中の病気に影響する可能性があります。
【薬との関係が気になるとき】
- 薬の名前を確認する
- 服用開始時期を整理する
- 薄毛に気づいた時期を整理する
- 処方医・薬剤師へ相談する
薄毛対策より、現在治療している病気の安全な管理を優先します。
効果だけでなく続けやすさも確認する
薄毛治療は、通院、日々の使用、費用、体調管理などが関係します。70代では「できるだけ多くの治療をする」ことより、自分の希望や健康状態に合っているかを確認することが大切です。
- 何を目標に治療するか
- 毎日の使用を続けられるか
- 通院や費用が負担にならないか
- 副作用が起きた場合の対応を理解しているか
治療を受けるかどうかは、期待できる効果と負担の両方を理解して決めます。
治療の強さではなく、自分の希望・安全性・続けやすさを含めて選びましょう。
70代女性の薄毛で皮膚科などへの相談を考えたい4つのケース
年齢による緩やかな変化と思っていても、脱毛の仕方によっては診察を受ける意味があります。特に急な変化や頭皮症状を伴う場合は、年齢だけで判断しないようにします。
分け目・頭頂部の薄毛が徐々に進んでいる
同じ条件で撮影した写真を比べても、分け目や頭頂部の地肌が徐々に目立つ場合は、女性型脱毛症などを含めて皮膚科で相談できます。
【受診時に役立つ情報】
- 過去と現在の写真
- 薄毛に気づいた時期
- 進行の仕方
- 家族歴・服薬状況
徐々に進む薄毛も、気になる場合は相談して原因を確認できます。
抜け毛が急に増えた・部分的に抜けた
短期間で抜け毛が増えた場合や、円形・部分的に毛が抜けた場合は、年齢による薄毛だけを前提にしません。
| 変化 | 対応の考え方 |
|---|---|
| 徐々に薄くなる | 経過を記録して原因を確認する |
| 急に抜け毛が増える | 別の原因も含めて相談する |
| 円形・部分的に抜ける | 別の脱毛症を含めて確認する |
| 他部位も脱毛する | 頭髪だけに限定せず症状を伝える |
具体的な抜け毛本数だけで判断せず、本人にとって急な変化かどうかを伝えます。
急な脱毛は「70代だから」と片付けず、原因確認を優先しましょう。
赤み・痛み・強いかゆみなど頭皮症状がある
薄毛とともに頭皮の赤み、痛み、強いかゆみ、湿疹、目立つ鱗屑などがある場合は、皮膚疾患が関係している可能性もあります。
【確認したい頭皮症状】
- 赤み・湿疹
- 痛み・ただれ
- 強いかゆみ
- 目立つフケ・鱗屑
刺激の強い育毛ケアを追加する前に、皮膚科などで相談します。
頭皮症状がある場合は、脱毛と皮膚の問題を分けずに伝えましょう。
ケアや治療の安全性に不安がある
持病がある、複数の薬を使用している、発毛剤を使ってよいか分からないなど、安全性に不安がある場合も医師や薬剤師へ相談できます。
【相談前に準備したいもの】
- お薬手帳
- 使用中の市販薬・サプリメントの情報
- 使いたい発毛剤などの製品名
- 持病・アレルギーの情報
「市販品だから安全」とは限らないため、分からない点を確認してから使用します。
70代の薄毛対策では、発毛への期待だけでなく全身の健康と安全性を優先しましょう。
70代女性の薄毛には、加齢に伴う毛髪の変化だけでなく、女性型脱毛症やほかの脱毛症、頭皮の問題などが関係する場合があります。「年齢だから仕方ない」と決めつけず、薄くなった場所と進み方を確認することが大切です。
日常では、頭皮を強くこすらない洗髪、きつい髪型を避けること、白髪染めなどによる刺激の確認、無理のない食生活などを意識します。発毛剤や治療を考える場合は、持病や服薬状況も含めて安全性を確認し、急な脱毛や頭皮症状がある場合は皮膚科などへ相談しましょう。
70代の薄毛対策は、年齢だけで諦めることでも、多くのケアを無理に追加することでもなく、原因・安全性・続けやすさを確認して選ぶことが基本です。







