ミノキシジルを使えば、M字や前頭部の生え際も改善するのか気になる人は多いでしょう。国内のミノキシジル外用剤は壮年性脱毛症における発毛などを目的とする医薬品ですが、「M字なら必ず戻る」「生え際には効かない」と部位だけで一律に判断することはできません。脱毛の原因、使用条件、治療前からの変化を確認しながら評価することが大切です。
ミノキシジルは生え際・M字にも使える?
部位名だけではなく、壮年性脱毛症に該当するか、製品の使用条件に合っているかを確認します。
壮年性脱毛症が対象
国内の一般用ミノキシジル外用剤は、壮年性脱毛症における発毛、育毛などを効能とする製品があります。
- 対象となる脱毛症を確認
- 年齢・性別などの使用条件を確認
- 添付文書を読む
M字だけで脱毛原因を断定しない
生え際が後退して見えても、見た目だけで原因を自己診断しないことが重要です。
- 進行の経過
- 他部位の状態
- 頭皮症状の有無
対象パターンには前頭部を含む製品もある
国内5%製剤の添付文書には、対象となる壮年性脱毛症の例として前頭部を含むパターン図が示されている製品があります。
前頭部だから一律に対象外というわけではありませんが、個人の改善量を保証するものではありません。
使用前の生え際を記録する
M字は撮影角度で見え方が変わるため、使用前から同条件の写真を残します。
- 正面
- 右斜め
- 左斜め
生え際への効果を確認するときのポイント
短期間の見た目だけでなく、製品の評価期間と使用状況を合わせて確認します。
数週間だけで判断しない
5%ミノキシジル製剤では、効果が分かるまで少なくとも4か月間毎日使用するよう記載された製品があります。
- 使用開始日
- 継続期間
- 製品の添付文書
写真条件をそろえる
髪の長さや照明が違うと、生え際の位置や密度が変わったように見える場合があります。
| 条件 | そろえる内容 |
|---|---|
| 角度 | 正面・左右を固定 |
| 照明 | 同じ場所 |
| 髪 | 乾いた状態 |
産毛だけで最終結果を決めない
細い毛が見えることだけで、今後どこまで改善するかを断定することはできません。
- 毛の太さ
- 密度
- 生え際全体の変化
改善量には個人差がある
添付文書でも、毛髪が成長する程度には個人差があり、誰にでも効果があるわけではないとされています。
「以前の生え際まで完全に戻ること」だけを効果判定の基準にしないようにしましょう。
M字が改善しないと感じるときに確認すること
効かないと決めつける前に、使用期間・使い方・脱毛の状態を見直します。
評価期間まで継続できているか
使用期間が短ければ、効果を評価するには早い可能性があります。
- 開始日
- 中断の有無
- 使用製品
用法・用量を守っているか
使用回数や量を自己流で変更すると、適切な評価がしにくくなります。
- 1回量
- 使用回数
- 塗布部位
急な脱毛や頭皮症状がないか
斑状の脱毛や急激な脱毛、強い炎症などがある場合は、壮年性脱毛症以外の可能性も考えます。
急激な脱毛や強い頭皮症状がある場合は、ミノキシジルだけで様子を見続けず医師や薬剤師へ相談しましょう。
一定期間で改善がなければ相談する
5%製剤の中には、6か月使用して改善が認められない場合は使用を中止し、医師または薬剤師へ相談するよう記載された製品があります。
- 脱毛状態
- 生毛・軟毛
- 硬毛
- 抜け毛の変化
生え際の改善を期待するときの注意点
結果を急いで自己流の使い方へ変えないことが重要です。
多く塗れば早く生えるわけではない
定められた量を超えて使用しても、発毛が早まるとは限りません。
使用量・回数は製品の添付文書に従い、自己判断で増やさないでください。
複数のミノキシジル製品を重ねない
効果を高めたいという理由で同成分の製品を自己流で重ねて使うのは避けます。
- 成分
- 濃度
- 使用回数
内服ミノキシジルと混同しない
国内承認の外用発毛剤と、薄毛目的のミノキシジル内服は同じ位置づけではありません。
- 外用剤:国内承認製品あり
- 薄毛目的の内服:別の位置づけ
自分の使用前後で評価する
他人の症例写真ではなく、自分の同条件の写真を基準にします。
M字・前頭部への効果は「効く・効かない」の二択ではなく、自分の使用前からの変化で確認しましょう。
参照資料:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」、PMDA「ミノキシジルローション5%製剤の使用上の注意」

