ミノキシジルを含む発毛剤を2種類持っている場合でも、「成分が同じだから重ねてもよい」「濃度を足せばもっと効く」と考えるのは危険です。PMDA掲載のミノキシジル5%製品では、1日2回・1回1mLなど定められた用法・用量を超えて多量または頻繁に使用しても効果は上がらず、副作用の発現可能性が高くなる旨が記載されています。また、他の外用剤を頭皮へ使用しないよう示された製品もあります。2種類のミノキシジル製剤を自己判断で重ねるのは避けましょう。
発毛剤を2種類併用してもいい?
同じミノキシジルを含む製品でも、2本を重ねて使用することは添付文書どおりの使い方ではありません。
規定量を超える使用になる可能性
それぞれを通常量で使えば、合計のミノキシジル使用量・回数が製品の用法を超える可能性があります。
【避ける】
- 2製品を同時塗布
- 交互に追加塗布
- 倍量使用
- 使用回数追加
効果を高める目的の過量使用は避けます。
多く使っても効果は上がらない
ミノキシジル5%製品では、用法・用量より多く・頻繁に使用しても効果は上がらないと記載されています。
【添付文書】
- 効果増加は期待できない
- 副作用リスク
- 用法厳守
- 自己増量しない
濃度や量を自己流で足し算しないようにします。
別製品も頭皮用外用剤に当たる
ミノキシジル製品では、他の外用剤の頭皮への使用を避けるよう記載されたものがあります。
- 製品Aの説明書
- 製品Bの説明書
- 有効成分
- 用法
同じ有効成分だから例外になるとは書かれていません。
切り替えと併用を区別する
古い製品から新しい製品へ変更することと、2種類を同時に使用することは別です。
【切り替え】
- 旧製品の使用終了
- 新製品の用法
- 使用期限
- 薬剤師への確認
切り替え時に重複期間を自己判断で設けないようにします。
ミノキシジル製剤を重ねるリスク
過量使用では効果の上積みが期待できない一方、副作用への注意が必要です。
頭皮症状が出る可能性
ミノキシジル外用剤の副作用として発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感等が記載されています。
【皮膚症状】
- 発疹・発赤
- かゆみ
- かぶれ
- 熱感
症状が出た場合は直ちに使用を中止して相談します。
全身症状にも注意する
説明書には頭痛、めまい、胸痛、心拍が速くなる、急な体重増加、むくみ等も相談すべき症状として挙げられています。
【全身症状】
- 頭痛・めまい
- 胸痛
- 動悸
- むくみ・体重増加
重ね塗りでこれらのリスクを自己評価しないようにします。
吸収量を自己管理できない
塗布量、頭皮状態、他製品などによって吸収への影響を家庭で正確に把握することはできません。
【自己調整しない】
- 塗布量
- 濃度
- 頭皮状態
- 併用製品
「少しだけなら安全」と断定できません。
副作用の原因製品が分かりにくい
異なる添加物を含む2製品を同時に使うと、刺激が出た場合の原因も切り分けにくくなります。
【記録】
- 商品名
- 開始日
- 症状
- 使用量
相談時には使用した全製品を伝えます。
濃度やメーカーが違う発毛剤を使いたい場合
濃度・メーカーが異なる製品への変更は、自己流の併用ではなく「切り替え」として考えます。
濃度を足し算しない
5%製品を2つ使っても「10%相当」として有効性が高まるわけではありません。
【誤解】
- 濃度の足し算
- 使用量の足し算
- 回数の足し算
- 効果の足し算
承認された製品ごとの用法・用量で使用します。
対象者を確認する
一般用ミノキシジル製品には男性向け5%、女性向け1%など対象者が定められた製品があります。
- 性別
- 年齢
- 濃度
- 対象脱毛症
他人の製品を流用しないようにします。
添加物の違いも確認する
有効成分が同じでも添加物や容器、使用感は製品ごとに異なります。
【製品差】
- 添加物
- 使用感
- 容器
- 注意事項
過去に刺激があった場合は商品名も含めて薬剤師へ伝えます。
変更理由を整理する
効果不十分、刺激、価格など理由によって必要な対応は異なります。
【変更理由】
- 効果
- 副作用
- 費用
- 使いやすさ
効果がない場合は使用期間や脱毛症の診断も見直します。
発毛効果を高めたいときに確認すること
2種類を重ねる前に、現在の発毛剤を正しく使用できているかを確認します。
使用期間を確認する
ミノキシジル5%製品には、効果が分かるまで少なくとも4カ月毎日使用する記載例があります。
- 開始日
- 毎日の使用
- 写真
- 説明書の期間
短期間で効果がないからと2種類へ増やさないようにします。
対象となる脱毛症か確認する
一般用ミノキシジル発毛剤は壮年性脱毛症を対象としており、急激・斑状の脱毛等には使用しません。
【対象外を疑う】
- 急激な脱毛
- 斑状脱毛
- 原因不明
- 頭髪以外の脱毛
該当する場合は医療機関へ相談します。
一定期間改善がなければ相談する
6カ月使用して改善がない場合に中止して医師・薬剤師へ相談する記載の製品があります。
【見直し】
- 使用期間
- 用法
- 改善項目
- 診断
薬を増やすより原因と治療方針を見直します。
2種類を重ねず用法どおり使う
発毛剤の効果を高めたい場合も、承認された用法・用量を超える自己流の併用は避けます。
ミノキシジル発毛剤を2種類重ねても、効果が高まるとは限りません。一般用ミノキシジル製品では、規定量より多く・頻繁に使用しても効果は上がらず、副作用の可能性が高くなるとされています。製品変更と同時併用を区別し、2製品を重ねる前に医師・薬剤師へ相談しましょう。
副作用が疑われる症状があれば使用を中止し、説明書を持って相談してください。
参照資料:PMDA「一般用医薬品 添付文書」、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」