AGA治療薬を続けても変化を実感できないと、「量を増やせば効くのでは」「別の薬にすぐ変えたい」と考えることがあります。効果が乏しいと感じても、自己判断で増量・追加・変更せず、治療期間、服用状況、AGAの診断、現在の進行状態を医師と確認することが重要です。薬によって承認された用法や評価期間が異なるため、まず現在の治療を適切に評価できているか整理しましょう。
AGA治療薬が効かないと感じたら最初に確認すること
薬を変更する前に、治療期間や使用状況など基本的な条件を確認します。
効果判定には一定期間が必要
AGA治療薬は数日で結果を判断するものではありません。たとえばフィナステリドは、効果確認まで通常6か月の連日投与が必要とされています。
- 治療開始日
- 経過期間
- 薬ごとの評価時期
飲み忘れ・使用忘れがないか
服用や外用が不規則だと、治療経過を適切に評価しにくくなります。
- 飲み忘れ
- 塗り忘れ
- 長期の中断
治療前と同じ条件で比較しているか
鏡の印象だけではなく、同条件の写真で治療開始時と比較します。
「変わらない気がする」という印象だけでなく、治療期間と写真をセットで確認しましょう。
AGA以外の脱毛がないか
急な抜け毛や局所的な脱毛、強い頭皮症状がある場合は、別の原因も含めた診察が必要です。
急激な脱毛や頭皮の強い炎症がある場合は、薬が効かないだけと考えず医療機関へ相談してください。
参考情報:医療情報ネット(ナビイ)
自己判断で増量してはいけない理由
「量を増やせば効果も増える」とは限らず、承認された用法から外れる可能性があります。
フィナステリドは増量による効果増強が確認されていない
フィナステリドの添付文書には、必要に応じて増量できるものの1日1mgを上限とし、増量による効果の増強は確認されていないと記載されています。
効かないと感じることは、自己判断で処方量を超える理由にはなりません。
薬ごとに承認された用法・用量がある
フィナステリド、デュタステリド、外用ミノキシジルでは使用方法が異なります。
| 治療薬 | 確認すること |
|---|---|
| フィナステリド | 処方された用量・服用期間 |
| デュタステリド | 処方された用量・服用期間 |
| 外用ミノキシジル | 製品の使用量・回数 |
参考情報:PMDAおくすりサーチ
副作用のリスクも考える
用量や使用方法を自己流で変えると、安全性の面でも問題になります。
- 処方量を守る
- 体調変化を記録する
- 変更前に相談する
余った薬を追加しない
過去に処方された別のAGA治療薬が残っていても、自分の判断で現在の薬と併用しないようにします。
複数の治療薬を自己流で組み合わせず、追加・変更は医師と相談して決めます。
薬を変更する前に医師と確認したいこと
効果不足の原因が現在の薬だけにあるとは限りません。
AGAの診断を再確認する
フィナステリドは男性型脱毛症の進行遅延が適応で、他の脱毛症に対する適応はありません。
- 脱毛パターン
- 進行経過
- 他の脱毛症の可能性
現在の治療期間を伝える
いつからどの薬を使っているかを正確に伝えます。
- 薬の名称
- 開始日
- 変更履歴
写真で治療経過を見せる
治療前と現在の写真があると、見た目の変化を共有しやすくなります。
- 生え際
- 頭頂部
- 同じ撮影条件
期待する治療目標を共有する
進行抑制を期待しているのか、発毛を期待しているのかによって、現在の治療に対する認識が変わります。
「薬が効かない」の中身を、進行・毛量・治療目標に分けて医師へ伝えましょう。
効果が不十分なときの次の行動
現在の治療を評価したうえで、必要なら医師が治療継続や変更を検討します。
定期的に効果を確認する
フィナステリドの添付文書では、6か月以上投与する場合も定期的に効果を確認し、継続の必要性を検討するとされています。
- 治療効果
- 副作用
- 継続の必要性
治療薬の変更は医師と相談する
フィナステリドからデュタステリドへの変更などを検討する場合も、適応や注意事項を確認したうえで判断します。
- 現在の治療効果
- 副作用
- 治療目標
個人輸入で別の薬を追加しない
効果不足を理由に海外製品を自己判断で追加すると、成分や品質、診療体制の確認が難しくなります。
処方治療で効果が乏しいと感じても、個人輸入品へ自己判断で切り替えないようにしましょう。
原因を整理してから次の治療を考える
治療期間、服用状況、診断、写真の変化を整理したうえで、次の方針を医師と決めます。
効かないと感じたときほど、増量を急がず「なぜそう感じるのか」を確認してから治療方針を見直しましょう。
参照資料:PMDA「フィナステリド錠・ザガーロカプセル添付文書」、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」


