デュタステリドは、男性型脱毛症(AGA)の治療に使われる5α還元酵素阻害薬です。国内のAGA用製剤では、男性の男性型脱毛症が適応で、通常は1日1回服用します。効果だけでなく、副作用、禁忌、検査への影響なども理解したうえで医師の処方に従って使用することが大切です。
デュタステリドとはどんなAGA治療薬?
まず、デュタステリドの作用と国内での位置づけを整理します。
5α還元酵素1型・2型を阻害する
デュタステリドは5α還元酵素1型と2型を阻害し、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑える薬です。
- 5α還元酵素1型を阻害
- 5α還元酵素2型を阻害
- DHT生成を抑制する
AGA用の先発薬にはザガーロがある
国内ではザガーロカプセル0.1mg・0.5mgが男性型脱毛症治療薬として承認されています。
- 一般名:デュタステリド
- 先発薬:ザガーロ
- 処方箋医薬品
男性の男性型脱毛症が適応
AGA用製剤の効能・効果は男性における男性型脱毛症です。他の脱毛症に対する適応ではありません。
抜け毛があるだけでAGAと自己診断せず、急な脱毛や頭皮症状がある場合は医療機関で確認しましょう。
フィナステリドとは作用する酵素の範囲が異なる
フィナステリドとデュタステリドは同じAGA治療薬でも作用する5α還元酵素の範囲が異なります。
| 成分 | 作用する5α還元酵素 |
|---|---|
| フィナステリド | 主に2型 |
| デュタステリド | 1型・2型 |
デュタステリドに期待される効果
AGAに対する作用は、承認された効能・効果と臨床試験の範囲で理解することが大切です。
AGAの治療に用いられる
デュタステリドは男性の男性型脱毛症に対して処方されます。すべての種類の脱毛に使う薬ではありません。
- 対象:男性のAGA
- 他の脱毛症は別途診断が必要
- 処方は医師が判断
臨床試験で毛髪数の変化が評価されている
承認時の国際共同試験では、20~50歳の男性AGA患者を対象に24週間投与し、毛髪数の変化などが評価されています。
- 24週間の比較試験
- 毛髪数を評価
- 安全性もあわせて検討
早い人では12週間で改善が認められる場合がある
添付文書では投与開始後12週間で改善が認められる場合もあるとされています。
12週間は全員に効果が現れる時期を保証する数字ではありません。
通常は6か月間の治療で効果を評価する
添付文書では治療効果を評価するためには通常6か月間の治療が必要とされています。6か月以上投与しても男性型脱毛症の改善がみられない場合は投薬を中止するよう、添付文書に定められています。
- 短期間だけで判断しない
- 治療前の状態を記録する
- 評価時期を医師と確認する
デュタステリドの副作用と注意点
処方を受ける際は、効果だけでなく副作用や禁忌も確認します。
性機能に関する副作用が報告されている
添付文書では、性欲減退、勃起不全、射精障害などが副作用として記載されています。
- 性欲減退
- 勃起不全
- 射精障害
肝機能障害にも注意する
肝機能障害なども副作用として記載されています。体調変化がある場合は処方医へ相談します。
- 体調変化を記録する
- 既往歴を伝える
- 必要な検査は医師の指示に従う
女性・小児などには投与しない
ザガーロは女性、小児等、重度の肝機能障害がある患者などが禁忌に含まれます。
処方された本人以外が服用したり、薬を分けたりしないでください。
PSA検査への影響を伝える必要がある
デュタステリドはPSA値を低下させるため、PSA検査を受ける際は服用中であることを検査を行う医師へ知らせます。
健康診断や泌尿器科受診でPSAを測定するときは、デュタステリドの服用を伝えましょう。
デュタステリドの服用方法と治療中の確認事項
用法を守り、自己判断で増量・中止・変更しないことが基本です。
通常は1日1回服用する
AGA用デュタステリドは、男性成人に通常0.1mgを1日1回経口投与し、必要に応じて0.5mgを1日1回投与します。
- 通常:0.1mgを1日1回
- 必要に応じて:0.5mgを1日1回
- 処方された用量に従う
自己判断で増量しない
早く効果を得たいという理由で、処方量を超えて服用しないようにします。
用量の変更は自己判断せず、必ず処方医へ相談します。
併用薬を医師へ伝える
デュタステリドは主にCYP3A4で代謝されるため、使用中の薬は診察時に伝えます。
- 処方薬
- 市販薬
- サプリメント
継続中も定期的に状態を確認する
効果や副作用の有無を確認しながら、治療を続けるかを医師と検討します。
デュタステリドは「飲み始めたら放置」ではなく、効果と安全性を定期的に確認しながら使う薬です。
参照資料:PMDA「ザガーロカプセル0.1mg/0.5mg 電子添文」(2025年8月改訂)