ミノキシジルを使うと「薄くなる前の状態まで髪が戻るのか」と期待する人もいるでしょう。ミノキシジル外用剤には発毛効果が認められていますが、使用した全員が以前と同じ毛量まで回復することを保証するものではありません。対象となる脱毛症、治療開始時の状態、使用期間などを踏まえて、期待できる範囲と限界を理解することが大切です。
ミノキシジルで髪はどこまで戻る?
「元通りになるか」という一つの基準ではなく、使用前からどのように変化したかで評価します。
発毛効果は認められている
国内のミノキシジル外用剤は、壮年性脱毛症における発毛などを目的とした一般用医薬品です。
- 発毛
- 毛髪の成長
- 製品ごとに承認された効能を確認する
以前の毛量まで戻る保証はない
医薬品として発毛効果が認められていても、治療前の毛量を完全に取り戻せるとは限りません。
「発毛効果がある」と「必ず元通りになる」は別の意味です。
効果の程度には個人差がある
薄毛の程度や毛髪の状態などが異なるため、同じ製品でも見た目の変化は一律ではありません。
- 使用開始時の状態
- 薄毛の範囲
- 使用期間
他人の症例写真と同じ結果にはならない
写真は撮影条件や開始時の状態が異なるため、自分の発毛量を予測する材料としては限界があります。
- 照明の違い
- 髪の長さの違い
- 開始時の薄毛の違い
効果が期待できる範囲を考えるポイント
まず、その薄毛が国内の外用ミノキシジルの対象となる壮年性脱毛症に当てはまるかを確認します。
壮年性脱毛症が対象
一般用ミノキシジル外用剤は、壮年性脱毛症に対する発毛などを目的とします。
- 対象となる脱毛症を確認
- 年齢・性別など製品の使用条件を確認
- 添付文書を読む
生え際・頭頂部を部位名だけで判断しない
薄毛の部位だけで「必ず効く」「絶対に効かない」と断定するのではなく、脱毛の原因や状態を確認します。
| 確認 | 見るポイント |
|---|---|
| 生え際 | 後退の経過・左右差 |
| 頭頂部 | つむじ周辺の密度変化 |
急な脱毛には別の原因も考える
急激に抜け毛が増えた場合や斑状に抜けた場合などは、壮年性脱毛症とは異なる可能性があります。
原因が分からない脱毛に、自己判断でミノキシジルを使い続けないようにしましょう。
治療前の状態を記録する
どこまで改善したかを確認するには、使用開始前の写真が基準になります。
- 正面
- 生え際
- 頭頂部
ミノキシジルの効果に限界がある理由
ミノキシジルは発毛剤ですが、あらゆる薄毛を完全に元へ戻す薬ではありません。
薄毛の原因が違えば治療も変わる
壮年性脱毛症以外の脱毛では、原因に応じた診断や治療が必要になります。
- 円形・斑状の脱毛
- 急激な脱毛
- 頭皮疾患を伴う脱毛
参考情報:医療情報ネット(ナビイ)
使用開始時の状態が人によって異なる
薄毛が気になり始めた時点や毛髪の状態は人それぞれです。
- 薄毛の範囲
- 毛髪の太さ
- 進行期間
効果判定には時間が必要
短期間だけ使って「戻らない」と判断するのではなく、製品の添付文書に示された期間を確認します。
発毛の限界を判断する前に、適正な方法と期間で使用できているかを確認します。
希望する外見と薬の効果は同じではない
薬で得られる変化と、希望するヘアラインや密度が一致するとは限りません。
- 発毛剤で期待する変化
- 現在の薄毛の状態
- 希望する見た目
効果を正しく評価するためにできること
使用期間だけでなく、使用方法と写真記録をそろえて経過を確認します。
同じ条件で写真を残す
照明や髪の濡れ具合が違うと、実際以上に変化して見えることがあります。
- 同じ照明
- 同じ角度
- 乾いた髪で統一
用法・用量を守る
効果を高めたいからといって、定められた量より多く使用しないようにします。
PMDA掲載のミノキシジル5%製剤の説明書では、定められた量より多く、または頻繁に使用しても効果は上がらず、副作用が現れる可能性が高くなるとされています。
改善がない場合は添付文書に従う
製品が示す期間使用しても改善がみられない場合は、漫然と続けず添付文書の指示に従って相談します。
- 使用期間
- 写真の変化
- 頭皮症状
「どこまで戻るか」は自分の経過で判断する
他人の結果ではなく、使用開始時と現在を比較し、必要に応じて医師や薬剤師へ相談します。
ミノキシジルの効果には個人差があるため、完全回復を前提にせず、自分の経過を客観的に確認しましょう。
参照資料:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」、PMDA「ミノキシジルローション5%製剤の使用上の注意」


