発毛剤の効果を写真で比較するときは、撮影日だけでなく照明、角度、距離、髪の長さ、分け目、整髪状態をできるだけそろえることが重要です。写真は治療効果を客観的に振り返る助けになりますが、写真だけで脱毛症の診断や薬の有効性を確定できるわけではありません。PMDA掲載のミノキシジル製品で示される生毛・軟毛、硬毛、抜け毛、脱毛状態などの評価と合わせて使いましょう。
発毛剤の効果を写真で記録するメリット
毎日鏡を見ていると少しずつの変化には気づきにくいため、定期写真は経過を振り返る材料になります。
開始前の写真を残す
使用前の状態がなければ、数カ月後の比較が難しくなります。
【開始時】
- 正面
- 左右の生え際
- 頭頂部
- 気になる部位
可能なら同じ場所・機器で今後も撮影します。
主観だけの判断を減らす
その日の気分や髪型で薄く見える・濃く見える印象は変わります。
【写真の役割】
- 過去との比較
- 部位別の変化
- 進行の確認
- 診察時の資料
写真も撮影条件に左右されるため絶対的な測定ではありません。
医療相談時の情報になる
使用開始日と写真がそろっていると、経過を医師・薬剤師へ説明しやすくなります。
- 使用開始日
- 商品名
- 使用回数
- 頭皮症状
薬の使用状況も合わせて伝えます。
毎日撮る必要はない
短期間では髪の成長変化を判断しにくいため、無理のない一定間隔で記録します。
【記録疲れを避ける】
- 頻繁すぎない
- 同じ周期
- 同じ条件
- 保存場所を決める
具体的な頻度を医学的な必須条件として固定する必要はありません。
写真撮影でそろえたい条件
比較の精度を上げるには、カメラ性能より撮影条件の再現性を意識します。
照明をそろえる
強い直射光や逆光では地肌の見え方が大きく変わります。
- 同じ部屋
- 同じ照明
- フラッシュ有無を統一
- 窓光の差に注意
明るさ補正を毎回変えすぎないようにします。
角度・距離をそろえる
頭頂部はカメラ角度が少し変わるだけでもつむじの見え方が変化します。
【固定】
- 立ち位置
- カメラ位置
- 頭の向き
- 撮影距離
三脚や床の目印を使う方法もあります。
髪の状態をそろえる
濡れ髪と乾いた髪、ワックス使用前後では地肌の見え方が違います。
【統一】
- 乾燥状態
- 整髪料
- 分け目
- 洗髪後の条件
比較する日は同じ条件に近づけます。
画像加工を避ける
美肌補正、シャープネス、明るさ自動補正などで髪の見え方が変わる場合があります。
【画像】
- フィルターなし
- 同じカメラ設定
- 過度な拡大なし
- 元画像を保存
SNS用加工画像ではなく記録用の元画像を残します。
どの角度を撮れば比較しやすい?
薄毛のパターンに応じて複数方向を残すと、一方向だけより変化を確認しやすくなります。
正面・生え際
生え際が気になる場合は、眉や額も入るように撮ると位置関係を比較しやすくなります。
- 額
- 左右の生え際
- 中央部
- 髪を同じ状態に
顔を含む写真はプライバシーに配慮して保存します。
頭頂部
つむじ周辺は真上に近い同じ角度で撮影します。
- つむじ中心
- 前後の向き
- 照明
- 撮影距離
髪の流れを毎回変えないようにします。
左右の側面
前頭部から側頭部の境界が気になる場合は左右も残します。
【側面】
- 左右同じ角度
- 耳を目印
- 生え際
- 距離
片側だけでなく両側を比較できます。
必要なら分け目
女性型脱毛症など分け目周辺が気になる場合は、同じ位置で分けて撮影します。
【注意】
- 分け目位置
- 髪の長さ
- カラーリング
- 照明
写真だけで女性型脱毛症と自己診断しないようにします。
写真で変化が分からないときは?
写真は補助資料です。使用期間や用法、脱毛症の種類と合わせて判断します。
説明書の評価項目も見る
PMDA掲載製品では、生毛・軟毛、硬毛、抜け毛、脱毛状態が改善の目安として示されています。
- 写真
- 抜け毛
- 生毛・軟毛
- 硬毛
見た目だけに評価を限定しません。
短期間の写真差を過大評価しない
髪は時間をかけて成長するため、数日単位の差は撮影条件の影響も受けます。
【判断】
- 期間
- 撮影条件
- 用法
- 個人差
使用中製品の説明書に示された期間を確認します。
明らかな悪化は写真比較だけで待たない
急激な脱毛や斑状脱毛などがあれば、評価期間の終了を待たず相談します。
【相談】
- 急激な脱毛
- 斑状脱毛
- 頭髪以外の脱毛
- 頭皮症状
対象外の脱毛症の可能性があります。
条件をそろえた写真を継続する
写真の価値は画質の高さより、同じ条件で経過を比較できることにあります。
発毛剤の効果を写真で比較するなら、照明・角度・距離・髪の乾燥状態・分け目・整髪料の有無をできるだけそろえましょう。開始前の写真を残し、正面・頭頂部など同じ構図で継続すると変化を確認しやすくなります。ただし写真だけで効果や脱毛症を確定せず、説明書の評価項目と合わせて判断してください。
診察を受ける場合は写真と使用記録を持参すると経過を説明しやすくなります。
参照資料:PMDA「一般用医薬品 添付文書」、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」