自毛植毛後の移植部には、小さなかさぶた(痂皮)ができることがあります。かさぶたは自分で無理にはがさず、洗髪の開始時期や洗い方は手術を受けた医療機関の指示を優先してください。取れる時期には個人差があり、術式や創部の状態によっても変わるため、「○日目に全部取る」と自己判断するのは避けましょう。
自毛植毛後にかさぶたができるのはなぜ?
グラフトを移植する際に頭皮へ小さな創ができ、少量の血液や浸出液が乾いて痂皮になることがあります。
移植部に小さな痂皮ができる
移植したグラフトの周囲に点状のかさぶたがみられる場合があります。
- 生え際
- 前頭部
- 頭頂部
採取部にも創がある
FUEでは採取部にも小さな創が多数でき、FUTでは縫合創があります。
- FUE採取部
- FUT縫合部
- 移植部
かさぶたと移植毛を混同しない
痂皮に毛が付いて見える場合がありますが、見た目だけでグラフトが抜けたか判断できません。
毛が付いたかさぶたを見ても、自己判断で「植毛が失敗した」と決めつけないようにします。
異常な分泌物とは分けて考える
膿、強い悪臭、悪化する痛みなどがあれば通常の痂皮と決めつけず相談します。
感染を疑う変化がある場合は、かさぶたの問題として自己処置せず施術院へ連絡してください。
かさぶたはいつ取れる?
かさぶたはおよそ1〜2週間で取れていくのが目安です。ISHRSの患者向け資料では5〜14日程度とされています。日数が来たら手ではがすという意味ではなく、指定された洗髪方法で扱います。
痂皮は創部の治癒とともに自然に取れていきますが、具体的な時期には個人差があります。
一斉に取れるとは限らない
部位ごとに痂皮の大きさや状態が異なり、少しずつ取れることがあります。
- 部位差
- 痂皮の大きさ
- 治癒の個人差
無理にはがす必要はない
爪で引っかく、強くこするなどして早く取ろうとするのは避けます。
「早く見た目をきれいにしたい」ことより、移植部を傷つけないことを優先します。
クリニックの洗髪指示に従う
術後日数に応じて洗い方を変える指示が出る場合があります。
- 洗髪開始
- 触れ方
- 水圧
残っていて不安なら相談する
2週間を過ぎても厚いかさぶたが残る場合や、膿・痛み・赤みの悪化がある場合は施術院へ確認します。無理にはがさないでください。
- 写真相談
- 術後診察
- ケア方法の確認
自毛植毛後の洗髪で注意すること
洗髪は頭皮を清潔に保つため重要ですが、術後早期は移植部への摩擦を避ける必要があります。
洗髪開始時期を確認する
いつから洗えるかは施術院の術後指示に従います。
- 開始時期
- 洗浄方法
- 使用製品
爪を立ててこすらない
痂皮を落とそうとして爪でこすると創部を傷つける可能性があります。
かさぶたを取る目的で強くこする洗髪は避けてください。
シャワーの当て方を確認する
術後早期は強い水圧を直接移植部へ当てないよう指示される場合があります。
- 水圧
- 温度
- すすぎ方
タオルで強く摩擦しない
洗髪後も移植部を強くこすらず、施術院が案内する乾かし方に従います。
洗う・すすぐ・乾かすまでを一連の術後ケアとして確認しましょう。
かさぶたを触るとき・相談するときの目安
治癒が進んだ後のケア方法も施設で異なるため、自己判断で剥離する前に指示を確認します。
手で剥がさない
気になる痂皮があっても、術後早期に指でつまんで取るのは避けます。
- 引っ張らない
- つままない
- 掻かない
かゆみがあっても掻かない
治癒過程でかゆみを感じても、移植部を傷つけないようにします。
- 爪を立てない
- 刺激しない
- 強いかゆみは相談
出血したら状態を確認する
触った後などに出血が続く場合は、施術院の指示に従い必要に応じて連絡します。
- 出血量
- 止まるか
- 痛み・腫れ
膿・発熱・悪化する痛みは相談する
通常の痂皮とは異なる変化を伴う場合は、術後窓口へ連絡します。
かさぶたの「取れる日」を急ぐより、創部を安全に治すことを優先しましょう。
参照資料:ISHRS患者向けパンフレット(2005年)、Romera de Blasほか「Complications in follicular unit excision hair transplantation」(2026年)