自毛植毛は外科手術のため、痛みがまったくないと保証することはできません。麻酔注射時の痛み、麻酔が効いている手術中の感覚、麻酔が切れた後の術後痛は分けて考える必要があります。痛みの程度には個人差があり、麻酔方法や鎮痛方法も施設・術式で異なるため、手術前に具体的な対応を確認しましょう。
自毛植毛の痛みは麻酔注射・手術中・術後で分けて考える
痛みを考えるときは、局所麻酔を入れるとき、麻酔が効いている手術中、麻酔が切れた後を分けて確認します。術式や手術範囲によって術後の負担も異なります。
局所麻酔の注射時
局所麻酔では、針を刺すときや薬液を注入するときに痛み・刺激を感じることがあります。麻酔が効いた後の処置中の感覚とは分けて考えます。
- 針を刺す刺激
- 薬液注入時の感覚
- 個人差
麻酔が効いた手術中
局所麻酔が効いていても、押される・触られる感覚は残ることがあります。また、同じ姿勢を長時間続ける負担は局所麻酔では取り除けません。
「感覚がある」ことと「強い痛みがある」ことは分けて医療者へ伝えましょう。
麻酔が切れた後
術後は採取部と移植部で感じ方が異なることがあるため、帰宅後にどのような痛みへどう対応するかを事前に確認します。
- 採取部
- 移植部
- 縫合部(FUTの場合)
痛みには個人差がある
術式、手術範囲、麻酔方法、本人の感じ方などで程度は変わります。
痛みの感じ方には個人差があるため、「無痛」という表現だけで判断せず、手術中と術後それぞれの痛みへの対応を確認します。
手術中は痛みだけでなく圧迫感や姿勢の負担も確認する
自毛植毛の「痛み」は、麻酔注射の刺激だけでなく、長時間の処置中に感じる圧迫感や姿勢のつらさ、術後に麻酔が切れてからの創部痛まで含めて考えます。
麻酔注射の刺激は手術前に相談する
注射が苦手な場合や過去に麻酔で体調不良があった場合は、事前に医師へ伝えます。
- 注射への不安
- 過去の麻酔経験
- アレルギー・既往歴
処置中の強い痛みは我慢しない
麻酔中でも強い痛みがある場合は、その場で医療者へ伝え、追加対応が必要か確認します。
処置中に痛みが出たときや姿勢を保つのがつらいときは、その場でスタッフへ伝えてください。追加麻酔や姿勢の調整が必要か確認してもらいます。
姿勢による負担も想定する
手術が長時間になる場合は、首・腰・同じ姿勢による疲労が痛みとは別に負担になることがあります。
帰宅後の痛みへの対応を確認する
処方される鎮痛薬の使い方、連絡が必要な症状、夜間・休日の連絡先まで確認しておきます。
術後の痛みはどう考える?
術後の痛みは、採取方法・手術範囲・創部の状態などによって感じ方が変わります。
FUEの採取部
多数の小さな採取創ができるため、術後の痛みや違和感について説明を受けます。
- 採取部の痛み
- 赤み
- 違和感
FUTの採取部
帯状切除と縫合を伴うため、創部痛やつっぱり感などについて確認します。
- 縫合部
- つっぱり感
- 抜糸等の予定
鎮痛薬の使い方
処方された鎮痛薬がある場合は指示された用法に従います。
自己判断で処方量を超えて鎮痛薬を使用しないでください。
強い・悪化する痛みは相談する
術後説明で示された範囲を超える強い痛み、悪化する症状、発熱などがあれば施術した医療機関へ連絡します。
痛みの強さだけでなく、悪化しているか、他の症状を伴うかも確認します。
痛みが不安な人が手術前に確認すること
自毛植毛の痛みが不安な場合は、手術中の麻酔だけでなく、帰宅後の鎮痛方法と連絡先まで確認します。
麻酔方法を聞く
局所麻酔のほかに何を使用するのか、施設の方法を確認します。
- 局所麻酔
- 鎮静の有無
- 追加麻酔への対応
術式ごとの術後負担を聞く
FUEとFUTでは採取創の形が異なるため、回復過程も説明を受けます。
- 採取方法
- 傷跡
- 術後ケア
帰宅後の連絡先を確認する
夜間・休日を含め、異常を感じた場合の連絡方法を確認します。
- 緊急連絡先
- 再診基準
- 術後診察
痛みだけで術式を決めない
痛みだけで術式を決めず、必要株数・ドナー状態・傷跡・費用も含めて手術計画を確認します。
麻酔・痛みへの対策を確認したうえで、手術全体のメリットとリスクから判断しましょう。
参照資料:NHS「Local anaesthesia」「Hair transplant」