発毛剤を使っているのに効果を感じない場合、すぐに「自分には効かない」と決める前に、使用期間、用法・用量、対象となる脱毛症かどうかを確認します。ミノキシジル外用剤は日本皮膚科学会の2017年ガイドラインで男性型・女性型脱毛症への外用が推奨されていますが、すべての脱毛症に有効な薬ではなく、誰にでも効果が出るわけでもありません。 PMDA掲載の一般用医薬品でも、一定期間使用して改善がない場合や脱毛状態が悪化した場合は相談するよう記載されています。
発毛剤で効果が出ないと感じたら使用期間を確認
毛髪の変化には時間がかかるため、数日・数週間だけで効果を判定するのは早い場合があります。
男性向け5%製品では少なくとも4カ月の記載例
PMDA掲載のミノキシジル5%製品では、効果が分かるまで少なくとも4カ月間毎日使用する旨が記載されています。
【期間】
- 5%製品の記載例
- 毎日の使用
- 短期間で判断しない
- 製品説明を優先
濃度や対象者が違う製品へ同じ期間をそのまま当てはめないようにします。
女性用1%製品では6カ月の記載例がある
PMDA掲載の女性用ミノキシジル1%製品では、効果が分かるまで少なくとも6カ月間毎日使用する旨が記載されています。
- 対象性別
- 濃度
- 評価期間
- 用法
使用中の製品の説明書を確認することが重要です。
6カ月改善なしなら相談とする製品がある
複数のミノキシジル製品では、6カ月使用して改善が認められない場合に中止し医師・薬剤師へ相談する記載があります。
【漫然と続けない】
- 脱毛状態
- 生毛・軟毛
- 硬毛
- 抜け毛
長く使えば必ず効くとは限りません。
初期の抜け毛だけで中止しない一方、悪化は確認する
日本皮膚科学会ガイドラインではミノキシジル外用初期に休止期脱毛がみられることがあるとしています。
【区別】
- 使用初期の変化
- 急激な脱毛
- 斑状脱毛
- 頭髪以外の脱毛
異常な脱毛や悪化がある場合は説明書に従い中止・相談します。
使い方が合っているか確認する
ミノキシジル外用剤は用法・用量を守って使うことが前提です。量を増やせば効果が上がるわけではありません。
1回量と1日回数を確認する
例えば女性用1%製品には成人女性が1日2回、1回1mLを脱毛している頭皮へ塗布する製品があります。
- 1回量
- 1日回数
- 頭皮へ塗布
- 対象者
具体的な量は自分の製品の説明書を確認します。
塗る場所を確認する
発毛剤は毛髪の表面ではなく、脱毛している頭皮へ使用します。
【塗布】
- 髪を分ける
- 頭皮へ塗る
- 指定範囲
- 容器の使い方
顔や身体の他部位へ使用しないようにします。
多量・高頻度に使わない
用法・用量を超えても効果は上がらない旨が添付文書に記載された製品があります。
【避ける】
- 倍量
- 回数追加
- 塗り直し過多
- 自己流の高濃度化
副作用リスクにも注意します。
他の頭皮用外用剤との併用を確認する
ミノキシジル5%製品には、他の育毛剤や外用剤の頭皮への使用を避けるよう記載されたものがあります。
【併用】
- 育毛剤
- 頭皮用外用剤
- 軟膏
- 液剤
併用品がある場合は添付文書や薬剤師へ確認します。
そもそも薄毛の原因が発毛剤の対象か確認
ミノキシジル一般用発毛剤は壮年性脱毛症を対象としており、すべての脱毛に使う薬ではありません。
急な脱毛・斑状脱毛は対象外の可能性
PMDA掲載製品では、急激な脱毛や斑状脱毛の人は使用しない旨が示されています。
【別の原因を疑う】
- 急激な脱毛
- 斑状脱毛
- 原因不明
- 頭髪以外の脱毛
皮膚科等で診断を受けることを検討します。
甲状腺疾患などによる脱毛もある
製品説明書では甲状腺疾患による脱毛など、壮年性脱毛症以外の脱毛症を対象外としています。
【背景】
- 持病
- 体調変化
- 服薬
- 脱毛の始まり方
発毛剤が効かないことだけでAGAの重症度を判断しないようにします。
AGA・女性型脱毛症では治療選択肢を整理する
日本皮膚科学会はミノキシジル外用を推奨度Aとしていますが、男性AGAではフィナステリド・デュタステリド内服など別の推奨治療もあります。
【医療相談】
- 診断
- 外用治療
- 男性の内服治療
- 治療歴
性別・診断に応じて治療法は異なります。
進行が強い場合は自己流で追加しない
効果がないと感じて複数の薬や育毛剤を自己判断で重ねるのは避けます。
【追加前】
- 診断を確認
- 副作用を確認
- 併用可否
- 医師・薬剤師へ相談
治療の見直しは原因確認から行います。
効果が分からないときの確認方法と相談の目安
主観だけでなく、同じ条件で経過を記録すると変化を比較しやすくなります。
写真の条件をそろえる
照明や髪型によって薄毛の見え方は大きく変わります。
【写真】
- 同じ照明
- 同じ角度
- 同じ髪の長さに近づける
- 整髪前
写真だけで診断はできませんが経過確認に役立ちます。
抜け毛だけでなく複数項目を見る
製品説明書では、生毛・軟毛、硬毛、抜け毛の程度などを改善の目安とする例があります。
- 脱毛状態
- 生毛・軟毛
- 硬毛
- 抜け毛
一日の抜け毛本数だけで効果を決めないようにします。
副作用があれば効果判定を待たない
発疹、かゆみ、胸痛、動悸、むくみ等があれば説明書に従って中止・相談します。
【安全優先】
- 皮膚症状
- 頭痛・めまい
- 胸痛・動悸
- むくみ・急な体重増加
効果が出るまで我慢して使い続ける必要はありません。
期間・用法・原因を順番に確認する
「効かない」と感じたときは、使用期間不足、使い方、対象外の脱毛症などを整理します。
発毛剤で効果を感じないときは、まず使用中製品の説明書で必要な使用期間と用法・用量を確認し、次に薄毛がその発毛剤の対象となる脱毛症かを見直しましょう。一定期間使って改善がない、脱毛が悪化する、急激・斑状の脱毛がある場合は、漫然と使用を続けず医師・薬剤師へ相談することが重要です。
自己判断で増量や薬の追加を行わないようにします。
参照資料:PMDA「一般用医薬品 添付文書」、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」