育毛剤の広告に「臨床試験済み」とあっても、その一言だけでは「高い育毛効果が証明された」とは判断できません。 試験の対象者、人数、期間、比較対象、評価項目、実際に得られた結果まで確認して初めて、何が示された試験なのかを理解できます。消費者庁も、効果・性能表示の根拠には客観的な実証と、表示内容との適切な対応を求めています。
「臨床試験済み」は何を意味する?
人を対象とする試験を示す表現として使われますが、試験の質や結果の大きさまで自動的に示す言葉ではありません。
試験をしたことと効果が証明されたことは別
試験を実施しても、目的とした差が確認できなかったり、限られた条件でしか結果を解釈できなかったりすることがあります。
広告では試験実施の事実より結果の中身が重要です。
広告表示と試験結果が対応しているかを見る
消費者庁は効果・性能表示の合理的根拠について、客観的に実証された内容であることに加え、表示された効果と実証内容が適切に対応していることを求めています。
【根拠の基本】
- 客観的に実証された資料か
- 広告の効果表現と試験内容が対応するか
- 対象商品と試験品が対応するか
- 条件を広げすぎていないか
一部の結果を製品全体の万能な効果として読まないようにします。
試験対象者と人数を確認する
自分と異なる対象者だけの試験では、結果をそのまま自分に当てはめられない場合があります。
年齢・性別・薄毛状態を見る
男性だけ、女性だけ、特定年齢層だけなど、対象者の条件によって結果の適用範囲は変わります。
- 性別
- 年齢
- 薄毛・頭皮状態
- 除外条件
- 使用前の状態
対象条件が広告に示されていなければ、試験概要や論文等を確認します。
人数だけで試験の質は決まらない
参加者数は重要ですが、多ければ必ず良い試験とは限りません。脱落者の扱いや解析方法なども結果に影響します。
【人数と一緒に見る項目】
- 登録人数
- 解析対象人数
- 脱落者
- 群ごとの人数
- 統計解析
「○人で試験」という数字だけで信頼性を断定しません。
期間・比較群・評価方法を見る
育毛関連の変化を評価するには、試験期間と何を比較したか、何を測ったかの確認が重要です。
比較対象があるかを確認する
使用前後だけの比較なのか、プラセボや別製品などの比較群があるのかで、結果から言えることが変わります。
- 使用前後の比較
- プラセボとの比較
- 対照製品との比較
- 左右など部位間の比較
比較群がない試験では、自然変動など別の要因を除きにくい場合があります。
何を「効果」として測ったかを見る
毛髪数、毛径、抜け毛数、画像評価、使用者アンケートなど、評価項目によって意味は異なります。
【評価項目の確認】
- 客観的測定か主観評価か
- 主要評価項目は何か
- 測定方法
- 評価時点
- 統計的な差と実感の差
「改善」の一語だけで評価方法を省略しないことが大切です。
「臨床試験済み」表示から購入判断するには?
試験済みという肩書きではなく、試験内容と広告で言っていることが一致しているかを確認します。
自社試験でも方法と表示の対応を見る
消費者庁のQ&Aでは、自社試験も一定の場合に根拠となり得ますが、一般に認められた方法等で実施される必要があると説明されています。
【広告を読む手順】
- 試験概要を探す
- 対象者を確認
- 期間を確認
- 比較群を確認
- 評価項目と結果を確認
- 広告表現と照合
「第三者機関」「自社試験」といった実施主体だけで結論を決めません。
医薬部外品の効能範囲も確認する
試験データがあっても、医薬部外品の広告で承認範囲を超える効能を自由にうたえるわけではありません。
【最終チェック】
- 製品区分
- 承認された効能・効果
- 試験で確認された内容
- 広告で強調される内容
- 条件・注記
試験結果を承認外の発毛効果などへ広げて解釈しないようにしましょう。