自毛植毛、とくにFUEでは後頭部などのドナー部を短く刈る方法がよく使われます。刈り上げは毛包を確認しながら採取しやすくし、採取位置を分散させて作業効率を高める目的がありますが、FUEでも部分的に刈る方法や刈らない方法があります。また、FUTでは採取部の毛を残す選択肢もあり、「自毛植毛なら必ず後頭部全体を刈る」わけではありません。
自毛植毛で後頭部を刈り上げる理由
FUEではドナー毛を短くすることで、採取する毛包単位と周囲の皮膚を確認しやすくします。
毛包単位を確認しやすくする
国際毛髪外科学会(ISHRS)の解説では、FUEには採取部を広く刈る方法、一部だけ刈る方法、刈らずに採取する方法が示されています。
- 採取対象を確認
- 器具を操作しやすくする
- 採取部を管理する
採取位置を分散しやすくする
ドナー全体を見ながら採取位置を分散させることは、局所的な採りすぎを避けるうえで重要です。
刈り上げは見た目のためではなく、FUEの採取操作・ドナー管理をしやすくする目的があります。
必要株数で刈る範囲は変わる
必要なグラフト数が多ければ、採取範囲も広くなる可能性があります。
- 必要株数
- ドナー密度
- 採取範囲
後頭部がドナーに使われる理由
男性型脱毛症の自毛植毛では、AGAの影響を受けにくい後頭部などの毛組織を移植します。
- 後頭部の状態
- 側頭部を含む採取範囲
- 将来の脱毛進行
後頭部はどのくらい刈る?
FUEでも全体を刈る方法、帯状・部分的に刈る方法、刈らない方法があり、必要株数や髪型で選択が変わります。
全体を短くする方法
広いドナー部を短くすることで採取位置を分散しやすくなります。
- 広い範囲を確認
- 採取を分散
- 術後は刈った部分が見える
部分的に刈る方法
周囲の長い髪で隠せるよう、帯状・ゾーン状に短くする方法があります。
- 部分シェーブ
- 周囲の髪でカバー
- 短髪では見える場合がある
刈らないFUEもある
ISHRSは完全なunshaven FUEも説明していますが、技術的に難しくなる点も指摘しています。
「刈らない=傷がない」わけではなく、FUEの皮膚切開・採取自体は行われます。
FUTでは事情が異なる
Strip FUTでは帯状に採取する部分の毛を短くする場合と長いままにする場合があります。
刈り上げ範囲は術式名だけで決めつけず、実際の採取方法を確認しましょう。
刈り上げ後の見た目で確認したいこと
手術直後の見た目は採取法、髪の長さ、採取範囲によって異なります。
周囲の髪で隠せるか
部分シェーブでは残した髪で採取部を覆える場合があります。
- 現在の髪の長さ
- 刈る位置
- 仕事復帰時の髪型
採取痕について説明を受ける
FUEでは小さな採取創・瘢痕が多数生じ得ます。
- 採取痕
- 赤み
- 短髪時の見え方
過剰採取を避ける
採取しすぎるとドナー部が薄く見える可能性があるため、長期的な採取計画が必要です。
移植株数だけでなく、後頭部にどの程度の毛量を残す計画か確認しましょう。
術後経過を確認する
刈った毛は伸びますが、採取部の治癒や瘢痕の経過は別に確認します。
「髪が伸びれば元通り」と傷の経過まで一括りにせず、術後説明に従います。
刈り上げる方法・刈らない方法の選び方
見た目だけでなく、必要株数、ドナー状態、手術時間、費用などを総合して相談します。
必要株数を確認する
移植範囲と希望密度から予定グラフト数を確認します。
- 移植範囲
- 予定株数
- 採取範囲
髪型の希望を伝える
術後に採取部を見せたくない場合は、現在の髪の長さや仕事上の事情を伝えます。
- 普段の髪型
- 短髪の予定
- 術後の休み
料金差を確認する
ノンシェーブン等で料金体系が変わる場合は総額を確認します。
| 確認 | 内容 |
|---|---|
| 術式 | FUE・FUT等 |
| シェーブ | 全体・部分・なし |
| 費用 | 総額・追加料金 |
医師の説明を受けて決める
日本皮膚科学会は自毛植毛を十分な経験と技術を有する医師が行うことを推奨しています。
刈り上げの有無だけで選ばず、安全なドナー採取計画を優先しましょう。
参照資料:ISHRS「Shaven and Un-Shaven Hair Transplant Terminology」、NHS「Hair transplant」