部分ウィッグは周囲の自毛を見せて使うため、毛材単体の美しさより、自毛と重なったときのなじみ方が重要です。人毛・人工毛・ミックス毛という分類だけで優劣を決めず、太さ、つや、くせ、洗った後に戻せる形を比べます。ここでは、試着で毛質の違いを見分ける手順を説明します。
自毛と接する毛先で質感を比べる
頭頂部だけを見ると自然でも、横から見た毛先が自毛と分かれて見えることがあります。ベース付近の毛量だけでなく、毛先が周囲の髪に重なる場所を見ます。
つやと毛の太さを並べて見る
自毛が細く柔らかいのに部分ウィッグの毛が太く硬いと、色が合っていても質感に差が出ます。反対に、しっかりした自毛の上に軽く細い毛が乗ると、上だけふわふわ見えることもあります。試着中に自毛と並べ、離れて見ても境目が気になるかを確かめます。
自毛のくせと毛先の方向を合わせる
自毛がうねる、毛先を内巻きにするなど、普段の髪型を作ってから試着します。ウィッグだけ直線的に落ちる場合は、毛材を変えるべきか、カットや許可されたスタイリングで調整できるかを分けて考えます。
人毛・人工毛・ミックス毛を試着で比較する
素材の特徴は判断材料ですが、同じ分類でも加工や製品設計が違います。「人毛なら必ず自然」「人工毛なら必ず手入れが簡単」と一律には決めません。
| 毛材 | 部分ウィッグで確かめたい点 |
|---|---|
| 人毛 | 自毛とのつややくせの近さ、洗浄後に必要なセット |
| 人工毛 | 形の保ち方、自毛が動いたときの毛先のなじみ、熱を使える条件 |
| ミックス毛 | 素材の配合、洗った後の毛流れ、整えるときに使える道具 |
ミックス毛は人毛と人工毛の両方を含みますが、配合だけで使いやすさは決まりません。希望のカールやつやが、普段の手入れで再現できるかまで見ます。
購入前に洗浄後の仕上げを体験する
販売用の見本はきれいにセットされています。その状態だけで選ぶと、家で洗った後に同じ髪型へ戻す手間を見落としやすくなります。
いつもの道具と時間で整えられるか
自然乾燥で形が整うのか、ブラシとドライヤーによる仕上げが必要なのかを聞きます。対応している道具を使った実演を見せてもらい、できれば自分でも毛流れを整えます。耐熱性は毛材名から推測せず、その品番の条件を使います。
自毛を巻く日と巻かない日を考える
日によって自毛の形を大きく変えるなら、どちらの髪型にもなじむかを試します。毎朝ウィッグだけに追加作業が必要になる場合は、その手間を含めて選びます。自毛用の薬剤やアイロン設定を、そのままウィッグへ使ってはいけません。
カットで調整できる差と毛材の差を分ける
毛先の長さや毛量は調整できる場合がありますが、毛材そのものの硬さや光沢を、カットだけで大きく変えることはできません。購入後に何でも直せると考えず、調整前の段階で違いを見極めます。
- 毛先が段になる場合は、長さとなじませるカットを相談する
- 上だけ膨らむ場合は、毛量だけでなく装着位置も確認する
- 光が当たると質感が離れる場合は、別の毛材も試す
- 手入れを実演しても再現が難しい場合は、形を保ちやすい別製品を比べる
試着時は気に入った商品の品番と、調整してもらう範囲を記録します。カット後に返品条件が変わる商品もあるので、購入の判断と加工の承諾を分けて行います。
参考資料:アデランス「医療用ウィッグの選び方・価格や素材の違い」