「毛穴に皮脂や角栓が詰まると髪が生えなくなり、薄毛になる」という説明を見かけることがあります。しかし、毛穴の汚れをAGAの原因とみなし、取り除けば発毛すると考えるのは適切ではありません。皮脂や角層のケアと、脱毛症の診断・治療を分けて考えましょう。
毛穴詰まりだけを薄毛の原因と決めつけない
毛穴の見た目と脱毛症の仕組みは同じものではありません。
皮脂は頭皮にも存在する
頭皮では皮脂が分泌され、汗や角層、整髪料などと混ざって汚れとして感じられることがあります。皮脂が存在すること自体を異常とは扱いません。
角栓が見えることとAGAの診断は別
AGAは遺伝的背景や男性ホルモンの影響などが関与する進行性の脱毛症です。毛穴の皮脂や角栓の有無だけでAGAを診断することはできません。
「詰まりを取れば発毛する」とは言えない
洗浄やクレンジングで頭皮表面を清潔にすることと、発毛作用を示すことは別です。毛穴洗浄をAGA治療の代わりにしません。
【毛穴ケアと発毛治療は別】
頭皮を清潔に保つことには意味がありますが、「皮脂を除去すればAGAが治る」という因果関係には置き換えられません。
皮脂は多すぎても取りすぎても頭皮状態を乱しうる
皮脂が気になるときも、ゼロにすることを目標にする必要はありません。
べたつきは洗髪頻度や整髪料も含めて考える
皮脂量だけでなく、汗、整髪料、洗髪の間隔などで頭皮のべたつき方は変わります。
強い脱脂は乾燥や刺激につながる
洗浄剤を過度に使うと皮表脂質などが失われ、乾燥を悪化させる可能性があります。べたつくからと強く洗い続けないようにします。
赤みや脂っぽいフケは皮膚疾患も確認する
皮脂が多いように見えても、赤みやかゆみ、フケを伴う場合は脂漏性皮膚炎などの可能性も含めて確認します。
毛穴汚れは通常の洗髪を基本に落とす
特別な器具で毛穴の中を削るようなケアを基本にする必要はありません。
自分の頭皮に合うシャンプーを使う
日本皮膚科学会は、頭皮が乾燥しすぎたり油っぽくならない頻度で、自分に合ったシャンプーやコンディショナーを使用することを生活上の注意として挙げています。
爪を立てずに洗う
角栓を取ろうとして爪や硬い器具でこすると、頭皮を傷つけるおそれがあります。洗浄は摩擦を増やさず行います。
すすぎ残しを減らす
シャンプーやリンスなどのすすぎ残しや過度な使用は刺激性皮膚炎につながることがあります。洗浄剤は十分にすすぎます。
【毛穴が気になるときの見直し】
- 洗髪頻度が極端でないか
- 洗浄力が強すぎないか
- 整髪料を多量に使っていないか
- すすぎが不十分でないか
「詰まりを押し出す」より、日常の洗髪条件を整えることから始めます。
薄毛が気になるなら毛穴ではなく脱毛の進み方を見る
毛穴の汚れに注目しすぎると、本来確認すべき脱毛症のサインを見落とすことがあります。
生え際や頭頂部の進行はAGAを確認する
一定のパターンで薄毛が進み、毛が細く短くなっている場合は、毛穴洗浄だけで対処せずAGAなどの評価を検討します。
急な脱毛や強い炎症は別の原因も考える
円形・局所的な脱毛、短期間での毛量変化、強い赤みや痛みがある場合は、AGAだけを前提にしません。
頭皮ケアで薄毛が改善しないことは不思議ではない
頭皮の清潔を保つケアと脱毛症の治療目的は異なります。薄毛が進行する場合は医療機関で原因を確認します。