頭皮の炎症や感染などに伴って抜け毛が生じることはありますが、「頭皮が荒れたら必ず薄毛になる」「頭皮トラブルがAGAの原因になる」とは限りません。 脱毛症にはさまざまな原因があり、炎症所見の有無や脱毛の広がり方などを確認して区別することが重要です。
頭皮トラブルで薄毛になることはある?
原因によっては、毛包周囲の炎症や感染などが脱毛に関係することがあります。
炎症を伴う脱毛症がある
日本皮膚科学会は、脱毛を生じる疾患として円形脱毛症、頭部白癬、原発性瘢痕性脱毛症などさまざまな病態を挙げています。
円形脱毛症でも毛包周囲の自己免疫反応による炎症が脱毛に関係します。
AGAは頭皮炎症だけで起こる病気ではない
男性型脱毛症では男性ホルモンの影響などによって毛周期が変化し、毛が小さく目立たなくなります。
【原因を分けて考える】
- 炎症・感染に伴う脱毛
- 円形脱毛症
- 男性型・女性型脱毛症
- 機械的刺激による脱毛
- 内科疾患・薬剤などに伴う脱毛
「頭皮を清潔にすればすべての薄毛が治る」と考えないようにします。
どんな頭皮トラブルで抜け毛に注意する?
脱毛部の赤み、鱗屑、かさぶたなどは、脱毛症を鑑別するときの重要な情報になります。
赤み・フケ・かさぶたを伴う脱毛を見る
円形脱毛症の診断では、他の疾患との区別に脱毛部の紅斑・鱗屑・痂皮などの炎症所見が用いられます。
- 赤み
- フケ・鱗屑
- かさぶた
- 膿・浸出液
- 脱毛部の範囲
症状を強くこすって落とすのではなく、経過を確認します。
急に円形・斑状に抜ける場合も確認する
円形脱毛症は頭部に一つの円形脱毛として現れる場合から、多発・全頭へ広がる場合まであります。
【早めの相談を考える変化】
- 脱毛斑が増える
- 範囲が拡大する
- 急速に頭部全体へ広がる
- 眉毛・まつ毛などにも脱毛
- 頭皮症状が強い
短期間に脱毛が広がる場合は医療機関での評価を考えます。
頭皮を治せば髪は元に戻る?
回復の見込みは脱毛の原因や毛包の状態によって異なるため、一律には言えません。
脱毛症の種類で経過は異なる
日本皮膚科学会は、脱毛症を毛包や毛が壊されるもの、毛周期が乱れて抜け毛が増えるものなどに大きく分けています。
【確認が必要な要素】
- 脱毛の原因
- 炎症の程度
- 毛包への影響
- 脱毛範囲
- 経過・再発
頭皮の見た目だけで発毛可能性を断定しないようにします。
自己流の刺激で発毛させようとしない
炎症がある頭皮にスクラブ、強いマッサージ、刺激の強い製品を重ねると症状を悪化させる可能性があります。
【炎症時に避けたいこと】
- 強くこする
- 爪でかく
- スクラブを重ねる
- 刺激のある製品を追加
- 脱毛部を引っ張る
まず頭皮トラブルの原因に合った対応を優先します。
頭皮トラブルと薄毛が同時にあるときの受診目安
赤みや痛みなどの頭皮症状が続く、脱毛範囲が拡大する、急激に抜ける場合は皮膚科での相談を検討します。
繰り返す・拡大する脱毛は診察を受ける
日本皮膚科学会は円形脱毛症について、再発を繰り返す、徐々に多発・拡大する場合は早めの診察を勧めています。
【受診を考えるサイン】
- 脱毛が拡大
- 急激な脱毛
- 強い赤み・痛み
- 膿・ただれ
- 症状が改善しない
特に急速な脱毛はセルフケアだけで長く様子を見ないようにします。
写真を残すと変化を伝えやすい
同じ明るさ・角度で頭皮や分け目を撮影しておくと、広がり方や炎症の変化を説明しやすくなります。
【受診時に伝えること】
- いつから始まったか
- どこから広がったか
- かゆみ・痛みの有無
- 使用中の頭皮製品・薬
- 脱毛の変化
自己診断ではなく、診察のための情報整理として活用します。