「水虫」というと足を思い浮かべやすいですが、白癬菌などの皮膚糸状菌は頭部にも感染します。頭髪に皮膚糸状菌が感染する病気が頭部白癬です。
頭部白癬は単なるフケではなく、真菌による感染症です。頭皮の鱗屑だけでなく、毛が折れる、脱毛斑ができるなどの症状を伴うことがあり、適切な診断と治療が必要です。
頭部白癬とはどのような病気?
頭部白癬は、皮膚糸状菌が頭髪などに感染して起こる白癬です。原因菌にはヒトから広がるもののほか、ネコなどの動物が感染源になるものもあります。
頭皮に鱗屑がみられ、毛が途中で折れたり、脱毛斑が生じたりすることがあります。炎症が強いタイプでは、腫れや膿を伴うケルスス禿瘡と呼ばれる状態になることもあります。
- 頭皮の鱗屑
- 毛が折れる、短くなる
- 脱毛斑
- 炎症が強い場合の腫れ・膿など
頭部白癬は人や動物から感染することがある
原因となる皮膚糸状菌には、ヒト由来のものや動物由来のものがあります。日本皮膚科学会のガイドラインでは、格闘技で流行する菌や、主にネコから感染する菌なども主要な原因菌として挙げられています。
感染が疑われる場合は、タオル、帽子、くしなど頭部に触れる物品の共用を避けるなど、周囲への広がりにも注意します。
市販の塗り薬だけで治そうとしない
日本皮膚科学会の2025年版皮膚真菌症診療ガイドラインでは、頭部白癬の治療は原則として経口抗真菌薬によるとされています。頭髪・毛包に感染するため、一般的な外用抗真菌薬だけで自己治療する病気ではありません。
湿疹だと思って自己判断で薬を使い続けるのではなく、頭皮に脱毛斑や鱗屑があり感染症が疑われる場合は診断を受けてから治療しましょう。
【薬の選択は医師の診断後に】
頭部白癬に似た脱毛や鱗屑は、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎など別の病気でもみられます。見た目だけで薬を選ばないことが大切です。
頭部白癬が疑われたら皮膚科へ
鱗屑を伴う脱毛斑、毛が途中で折れている部分、頭皮の腫れや膿などがある場合は、皮膚科を受診しましょう。特に炎症が強い場合は早めの診断が必要です。
頭部白癬は足白癬と同じ感覚で市販薬を塗るだけでは適切な治療にならないことがあります。感染を広げないためにも、疑わしい症状があれば医療機関につなげましょう。