アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が慢性的・反復的にみられる皮膚疾患です。頭皮にも症状が出ることがあり、乾燥感、かゆみ、赤み、湿疹などが気になる場合があります。
頭皮が乾燥してかゆいという症状だけで、アトピー性皮膚炎と自己診断することはできません。脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎、乾癬などでも似た症状がみられるため、長引く場合は皮膚科で原因を確認することが大切です。
頭皮にもアトピー性皮膚炎は起こる?
日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、アトピー性皮膚炎の診断では、かゆみ、特徴的な皮疹と分布、慢性・反復性の経過という基本項目を確認します。頭部に湿疹がみられることもあります。
ただし、頭皮のかゆみや赤みはアトピー性皮膚炎だけに特有の症状ではありません。シャンプーや染毛剤による接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾癬などとの区別が必要になることがあります。
【「乾燥=アトピー」と決めつけない】
乾燥やフケのような皮膚片があるだけでは診断できません。症状の出方、ほかの部位の湿疹、これまでの経過などを含めて評価します。
乾燥・かゆみがあるときに注意したいこと
強いかゆみがあると、爪で頭皮をかき続けたくなります。しかし、かく刺激で皮膚が傷つくと、湿疹が悪化したり、さらにかゆくなったりする悪循環につながることがあります。
かゆい部分を爪で強くかく、熱いお湯で長時間洗う、洗浄力の強い製品を何度も使うといった自己流ケアは避けましょう。
頭皮ケアだけで治そうとしない
アトピー性皮膚炎の治療では、薬物療法、スキンケア、悪化因子への対策などを組み合わせて考えます。単にシャンプーを替えるだけで治療できる疾患ではありません。
自己判断で多数の頭皮用ローションや精油などを重ねると、かえって刺激や接触皮膚炎が加わる場合があります。
【日常ケアで意識したいこと】
- 頭皮を爪でかかない
- 洗髪時に強くこすらない
- 症状が出た新しい製品はいったん使用を見直す
- 処方薬は医師の指示に従って使用する
頭皮の症状で皮膚科を受診したい目安
かゆみや赤みが続く、湿疹が広がる、かき壊してじくじくしている、睡眠に影響するほどかゆい場合などは皮膚科へ相談しましょう。
これまでアトピー性皮膚炎と診断されたことがなく、頭皮だけに症状がある場合は、最初からアトピーと決めつけないことが重要です。症状の分布や経過を診てもらい、ほかの皮膚疾患との鑑別につなげましょう。