頭皮の乾癬と脂漏性皮膚炎は、どちらも頭皮に赤みや鱗屑(皮膚の粉)が出ることがあり、見た目だけでは区別しにくい場合があります。「乾いたフケだから乾癬」「脂っぽいフケだから脂漏性皮膚炎」と単純に決めつけることはできません。
両者を見分けるときは、頭皮だけでなく発疹の境界やほかの部位の症状、爪・関節の症状なども含めて確認します。自己診断ではなく、長引く場合は皮膚科で評価を受けることが大切です。
頭皮の乾癬にみられる特徴
尋常性乾癬では、銀白色の鱗屑を伴う境界明瞭な盛り上がった紅斑が代表的です。頭部は乾癬ができやすい部位の一つで、肘、膝、臀部、下腿の伸側などにも発疹がみられることがあります。
また、乾癬では爪の変化や関節炎を伴う場合があります。頭皮の症状だけでは判断しづらくても、ほかの部位の発疹や爪・関節の症状が診断の手がかりになることがあります。
- 境界が比較的はっきりした赤い発疹と鱗屑
- 肘・膝など頭皮以外の発疹
- 爪の変化
- 関節の腫れや痛み
脂漏性皮膚炎にみられる特徴
脂漏性皮膚炎は、頭皮のほか、眉毛周辺、眉間、額、鼻の周囲、耳や耳の後ろなど、皮脂の多い部位に紅斑と鱗屑が現れる皮膚疾患です。成人では慢性的に経過することがあります。
病態には皮膚に常在する好脂性真菌のマラセチアなどが関与すると考えられています。ただし、「皮脂が多い=脂漏性皮膚炎」とは限らず、頭皮のべたつきだけで診断することはできません。
【頭皮以外の分布も手がかりになる】
脂漏性皮膚炎では眉間、鼻の周囲、耳周辺などにも症状がみられることがあります。一方、乾癬では肘や膝などに発疹がみられる場合があります。実際の診断では症状全体を確認します。
乾癬と脂漏性皮膚炎をフケだけで見分けない
両者には共通して紅斑や鱗屑がみられるため、頭皮から落ちる皮膚片の色や量だけで確実に見分けることはできません。さらに、接触皮膚炎やほかの皮膚疾患でも、かゆみや赤み、落屑が起こることがあります。
市販シャンプーへの反応だけを診断材料にするのも避けましょう。「このシャンプーで改善したから脂漏性皮膚炎」「改善しないから乾癬」という判断はできません。
どちらかわからないときの受診の目安
頭皮の赤みや鱗屑が長引く、繰り返す、範囲が広がる、かゆみが強い場合は皮膚科への相談を検討しましょう。症状を隠すために強くこすったり、複数の薬用シャンプーや外用製品を次々に試したりすると、刺激による皮膚炎が加わって状態を判断しにくくなることがあります。
【受診時に伝えるとよい情報】
- 症状が始まった時期と経過
- 頭皮以外に発疹がある場所
- 爪の変化や関節の腫れ・痛みの有無
- 現在使用しているシャンプーや外用製品
乾癬と脂漏性皮膚炎では治療の考え方も異なります。頭皮ケアだけで原因を決めつけず、症状が続く場合は診断を受けて適切な治療につなげることが重要です。