頭部白癬では、頭皮の鱗屑だけでなく、毛が折れたり脱毛斑が生じたりすることがあります。脱毛があるとAGAや円形脱毛症を心配しやすいですが、感染症が原因の脱毛もあるため注意が必要です。
鱗屑や炎症を伴う脱毛では、頭部白癬も鑑別が必要です。脱毛の見た目だけでAGAや円形脱毛症と決めつけず、頭皮の状態も含めて皮膚科で確認しましょう。
頭部白癬で脱毛が起こる理由
頭部白癬では皮膚糸状菌が毛に感染するため、毛が傷んで途中で折れたり、脱毛斑として見えたりすることがあります。頭皮には鱗屑を伴うことがあり、病型によって症状の程度は異なります。
強い炎症を伴うケルスス禿瘡では、腫れや膿などを伴うことがあります。強い炎症が長引いた場合には瘢痕性脱毛につながることがあるため、早期の診断と治療が重要です。
【脱毛だけを見てAGAと判断しない】
鱗屑、毛の折れ、腫れ、膿などを伴う脱毛は、AGAとは別の原因も考える必要があります。
頭部白癬による脱毛の特徴
頭部白癬では、脱毛斑の中に短く折れた毛がみられることがあります。ただし、症状の現れ方は原因菌や炎症の程度などによって異なります。
円形脱毛症などでも円形の脱毛斑がみられるため、「丸く抜けたから頭部白癬」と症状だけで断定することはできません。
炎症が強い脱毛は早めに受診する
頭皮が赤く腫れている、膿が出る、痛みがあるなど強い炎症を伴う場合は、早めに皮膚科を受診してください。ケルスス禿瘡では毛包周囲に強い化膿性炎症を生じます。
強い炎症がある部分を押して膿を出したり、脱毛部を強くこすったりするのは避けましょう。
【受診時に伝えたい情報】
- 脱毛が始まった時期
- 鱗屑やかゆみの有無
- 頭皮の腫れ・膿・痛みの有無
- 格闘技などでの接触やペットとの接触
頭部白癬は適切な抗真菌治療が必要
日本皮膚科学会の2025年版ガイドラインでは、頭部白癬は原則として経口抗真菌薬で治療します。毛に感染しているため、頭皮に市販の外用薬を塗るだけで済ませるのは避けましょう。
脱毛の原因が感染症であれば、AGA向けの頭皮ケアや発毛剤を優先しても原因治療にはなりません。まず感染症の診断と治療が必要です。