育毛剤の使用対象に頭皮が含まれている製品であれば、生え際へ使用できるものがあります。ただし、額や顔へ流れやすい場所なので、製品表示に従って頭皮へ適切に塗布することが重要です。生え際が後退している場合は、育毛剤の塗り方だけでなく、AGAなど進行性の脱毛症が関係していないかを分けて考える必要があります。
この記事では、生え際へ育毛剤を使うときの塗り方と、AGAが疑われる場合に注意したいポイントを解説します。
生え際に育毛剤を使ってもいい?
生え際へ使用できるかは、個別製品の使用対象と使用方法で確認します。「育毛剤」という名称だけで、すべての製品を同じ方法で使えるとは限りません。
頭皮用の製品か確認する
まず医薬部外品、化粧品、一般用医薬品などの区分を確認し、パッケージや説明書に記載された使用部位と方法を読みます。
額や顔にはみ出さないようにする
生え際は液剤が顔へ流れやすい場所です。容器を強く押し付けたり一度に大量に出したりせず、製品の指示に沿って使用します。
傷や強い炎症がある場合は注意する
頭皮に傷、強い赤み、湿疹などがある場合の扱いは製品によって異なります。使用上の注意を確認し、症状が強い場合は育毛剤を塗る前に医療機関へ相談します。
生え際への育毛剤の塗り方
基本は、髪そのものではなく製品が指定する頭皮部分へ、決められた量と回数で使用することです。
髪を分けて頭皮を見える状態にする
前髪を上げ、生え際の頭皮へ塗布しやすい状態にします。髪だけが濡れて頭皮へ届かない使い方を避けます。
使用量を増やさない
生え際の後退が気になるからといって、一度に多量を使用しても効果が比例して高まるとは限りません。製品表示の使用量を守ります。
使用後の頭皮状態を確認する
赤み、かゆみ、痛みなどが出た場合は使用を中止します。対応は製品表示を確認し、症状が続く場合は医療機関へ相談してください。
生え際の薄毛はAGAの可能性がある?
AGAでは前頭部の薄毛がみられますが、生え際が気になることだけでAGAと診断することはできません。
AGAでは前頭部や頭頂部が薄くなる
日本皮膚科学会のガイドラインでは、男性型脱毛症は思春期以降に始まり徐々に進行し、前頭部や頭頂部の毛髪が軟毛化することが特徴とされています。
進行しているか経過を見る
以前と比べて生え際が後退している、細く短い毛が増えているなどは受診を考える材料になります。ただし、これらだけで自己診断はできません。
AGA以外の脱毛もある
急に一部が抜ける、境界が明瞭な脱毛がある、頭皮の炎症が強いといった場合は、AGA以外の原因も考える必要があります。
AGAが疑われる場合の注意点
育毛剤を使用していることを、AGAの診断や治療の代わりと考えないようにしてください。
育毛剤と発毛剤を区別する
一般的な医薬部外品の育毛剤と、ミノキシジルを有効成分とする一般用医薬品は区分が異なります。PMDAではミノキシジル外用製品が第1類医薬品として掲載されています。
AGAには医学的に推奨される治療がある
日本皮膚科学会の2017年版ガイドラインでは、男性型脱毛症に対するフィナステリド内服、デュタステリド内服、ミノキシジル外用はいずれも推奨度Aです。
進行が気になる場合は受診を検討する
生え際が徐々に後退している場合は、育毛剤の種類を変え続けるだけでなく、皮膚科やAGAを診療する医療機関へ相談し、原因と治療選択肢を確認しましょう。
参照資料:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」、厚生労働省「医薬部外品の効能・効果」